発想の網の目連想
この度の新しい摺動システムでは、思い付き自体が二回あった。
初回は、前世代のシステムでは、言ってみれば力業的なシステム。耐摩耗性を追求するあまりに、硬度に拘る開発による解決方法の模索。そして、破壊形態に対しては破壊挙動が不可避とした上で、破壊限界をひたすら高める事に注力した開発だった。
しかし、、、、破壊の限界が想定内なら壊れないけど、実際の負荷が限界かいなか?は検証しようが無い。それ故に、壊れるか?壊れないか?っていうのは、対策として壊れにくくはなっているけど、限界に到れば同じ結果を招くという本質は変わっていなかった。
で、現在のシステムの考えでは、限界に到る過程の変化の向きを変える事で対策を講じ、耐摩耗性の確保を硬度という材料特性に依存させない考えで対処しようという発想に切り換えて開発を行った。それによって、運転環境によって壊れる方向に系が移行したら、その移行した環境が系の破壊を促進するのでなく、系の破壊を抑制する方向に変化するように本質的な部分でシステムを変更した。つまり、従来思想での限界に近づけば、その限界から回帰するように自然に変化させるという事で、システムの本質自体を変えている。
具体的な表現は出来ないけど、従来は、強度限界を高める対策。使用限界を最大限確保するような初期値を変更する対策。という本質に従った対策だけど、今回はシステムの変化の方向性自体を見直し、初期値や限界といった静的設計を行わず、変化の方向性や傾向といった、言ってみれば動的設計を行っている。変化の方向性を自然の摂理に迎合させているというのが大きなポイントだ。このシステムを成立させるために考えたのは、この摺動の世界、トライボロジーの世界の学問に非ずであり、趣味の世界の知識を駆使したりしている。趣味の世界というと、競技車両の制動装置の構造とか、原動機である内燃機関の構造とか、それらの機関が数十年の歴史で進化して問題を解決してきた経緯を活用している。選んだ手法は、要素的には極自然のルールに則ったモノに従っており、他者に説明する際も非常に容易であり、誰しも納得させる事が出来る。
結果的に、新しいシステムは、殆ど遊びの知識とか、中高生で習った別分野の知識によって生まれるている。
思うのは、知識に科目といった分類は殆ど無意味。どんな知識を何時利用するか?には制限が無い。大事なのは知っている知識を垣根無しに利用して、その時点における自分の問題が解決できるかどうか?っていうこと。
知識や科目に垣根を作らない事。持たない事。これが新しい事をする上で最重要だというのが持論である。
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