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2011年1月27日 (木)

次のネタと、それを敢えて記事にする理由

 摺動系のネタとして、C/Cコンポジットマテリアルをマトリックスとした複合材料を核として、物性値、実用状態における挙動を管理することで無注水摺動を実現する軸受システムの特許申請から技術波及を狙って業界への浸透を図っている。

 今の最新の技術の初号機の完成は実は2009年の5月である。5月に完成させたのは、ポンプメーカーT社における要素試験結果の相談が2009年の2月に持ちかけられたから。
 そう、2009年2月に前世代の無注水軸受の評価試験中において発生した問題を解決するというのが発端で、理論の完成とプロトの試作が出来たのが2009年5月の事。2009年中は、その試作モデルから評価モデルを作り出す過程で理論や理屈の整理、考えられる問題の修正の作業を主に行い、2010年に実験室レベルでの動作試験を行い、特許申請のストーリーを作り上げて2010年の秋に告知を開始したものである。
 つまり、取っ掛かりが2009年2月であり、今が2011年だから、問題解決に取り組んで、起案、試作、論理の整理、特許申請、告知に2年を要している。

 因みに、前世代の技術は、今現在はD社の製品に組み込まれて自治体等で稼働しているが、これは更に前世代の技術の欠点を克服するという事が開発のスタート。その開発開始が2002年7月頃。これが具体的な形として思い付いたのが2003年の暮れ、それと同時に特許申請を行い、告知に入ったのが2004年である。やはり、取り掛かりから特許申請、業界への告知に2年を掛けている。

 更に遡って、無注水軸受とは異なる耐摩耗軸受に利用する特殊なセラミックス開発ではどうか?というと、作業開始が1994年、新しい材料を発見したのが1996年、特許申請したのが1996年12月だから、これも2年である。この時は、それをネタに国の補助金申請を行い、開発予算で2億円以上を得て、これで材料製造設備の開発、軸受の評価システムの開発を行い、製造評価体制を作ったのが1997~1999年の3カ年である。

 振り返ると、問題に遭遇して、解決可能な手法を探し当て、特許申請し、試作、評価、告知に辿り着くのに概ね2年が掛かる。2年が早いか?遅いか?は判らないけど、この速度が自分の能力的な仕様なんだろう。

 因みに、社内におけるプロジェクト的な作業は、問題や課題を見て、解決方法に到るのに数日~十数日。実践完了に長くても3ヶ月程度、結果は1年でお釣りが来る程度だから、ホントの意味での開発(頭の中で試行錯誤して考える作業)というのが如何に労力が必要か?というのは自分なりに理解しているし、自分の能力で無から何かを生み出す事に較べると、目に見えている問題の処理は、実質的に脳内の作業はゼロに近いのが現実。

 で、何でこんな事を敢えて記事に書くか?っていうと、次のテーマが見つかったから。これも摺動関連のネタだが、今度は無注水摺動に非ずで、流体潤滑の世界。流体潤滑の世界における論理で用いる完全仮定条件を積極的に作り出す方法について。
 一応、イメージは出来ているので、作業の半分は終わっている。トライボロジーの理屈、ここで定義される理想状態を現実に自由に生み出すには、何が手っ取り早いか?ということ。これをモノに昇華して特許申請迄行う事を始めてみようか?と思っている。
 今の最新のネタは告知が終わっているので、自分的には既に過去の発想。次のステップで好奇心を満たす事が、自分にとって大事な事。これが次のネタの一つ。

 敢えて、申請前のネタを公開するのは、現在、非常に多くの企業、研究所、官庁ドメインからのアクセスがあるから。そのドメインで端末を操作する方の顔が知っている人も居る訳で、そういう世界へのメッセージ発信も含んでいる。進捗毎に記事はアップするが、この段階から共同で作業が出来れば更に良いモノが出来るし、その知識を広い世界で共有できるから。発想は拡げて価値がある。独占するのはナンセンスなのだ。そのためには、発想段階でイマジネーションを共有出来ればと考えているからだ。
 現実問題、供与している技術を占有したいユーザーも居られるが、それはNGである。そういう態度は、次の世代の技術が、そのユーザーには提供出来なくなるし、(告知したばかりの)次の世代の技術を育てるのに見合った(企業規模、技術力、開発力から判断して)別のユーザーに完全譲渡する事を自分は厭わないのだ。こういう嫌な気分を将来の開発において避けるには、企画段階から共同作業するというのも一つの手かな?と思うから、次のネタの話も記事にしたりするのである。

 戯れ言だけど、、、、金儲けやプライドしか考えられない奴は嫌い。舐めるな。

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