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2011年2月 3日 (木)

最終無潤滑摺動試験結果:LPCBL×製品プロト無注水軸受

 製品出荷状態の耐摩耗性重視の最高硬度品であるLPCBLスリーブと製品スペックの無注水軸受の無潤滑摺動試験が終わった。

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1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングの製品プロト
      内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスの改質材料、開発コードは、LPCBL

2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×2[hours]
・ラジアル負荷:0.20[MPa]×6[m/sec]
        0.85kgのウエイトを偏芯半径130mmで1200rpm

3.結果
・摺動トルク:1.55[N・m]→1.25[N・m](2[hours])→1.55[N・m](24[hours])
・軸変位(隙間+振動):540[μm]→630[μm](2[hours])→545[μm](24[hours])
・温度復帰後歳差増分:545-540=5[μm]

である。同じLPCBLスリーブで軸受の違いのみで比較すると、

★カットレスジャケットベアリング構造検討軸受×LPCBL(Hv=3000~5000、μ=0.1)
・摺動トルク:1.6[N・m]→1.2[N・m](2[hours])→1.48[N・m](24[hours])
・軸変位(隙間+振動):670[μm]→740[μm](2[hours])→720[μm](24[hours])
・温度復帰後歳差増分:720-670=50[μm]
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である。
これだけ試験を繰り返してくると感動も薄れるものである(笑)。今回用意したのは、軸受が形状効果確認用プロト軸受と製品仕様軸受の2パターン、軸スリーブがベースのC/C材に5種類の改質を施したモノ。つまり、10通りの組み合わせの試験が行えるのだけど、基本的には、どの組み合わせであっても従来システムに劣るモノは存在しないということ。

 未だ、試験は全ての組み合わせを完了していないが、軸スリーブ材としては摺動面硬度を高めたモノほど、摺動性とドライ状態の固体接触時の耐摩耗性が優れるということ。
 軸受に関しては、形状効果確認用のプロト段階で、摺動面物性は並の金属状態だが、それでも従来形状の軸受システムに比較すると摩耗量は大幅に抑えられている。しかし、軸スリーブ側の高硬度摺動面により確実に摺動痕が付いている。そんな軸受だが、新形状+材質の機械物性、熱力学物性を改質した製品仕様を用いると、摺動システムとして温度復帰後の軸変位歳差増分は基本的に不変であり、開放検査しても摩耗が全く発生していない事が認められる。実際に摺動面性状が無注水摺動運転においてダメージを受けていないということは、連続運転時におけるトルク変動、軸歳差変位変動からも確認できる。

 本日は、スリーブにLPCSP材を組み込んで同様の試験を行うが、最終的な結果に大きな差異は発生しないということが予想される。

 この新しい摺動システムの発端は、本日来社されるT社における前世代軸受システムの試験中に発生して試験中断を余儀なくさせた挙動、摩擦振動、スリップスティック振動対策を最大の目的と掲げて形状決定に到ったものである。その摩擦振動の発生要因を形状的、物性的に取り除くには単純に滑らかな摺動を阻害する要素を極力取り除くということであり、形状を見れば正しく理に適った構造と物性配置になっていると考えている。

当時の関係者会議の中で、原因が軸受システム外が主か否かの判断で、自分の判断が軸受システムに問題があるとして取り組んだ事が良かったと思える。

 今回の新しい摺動システムは、形状が非常にシンプルであり、尚かつ、消耗方向に相当の厚みが確保されている。そのために、異常が進行しても急激に機能を喪失するリスクが少ないというメリットがあり、更に、非常にシンプル故に、異常摺動で生じる異常な兆候が旧来の複雑構造軸受に比較して非常に迅速に検出出来るというメリットがある。
 つまり、異常検知が素早く、異常発生から機能停止迄の時間が長く確保出来るというメリットも有している。

 今後の試験には、このような周辺技術の推奨モデルのデザイン指針となる条件を洗い出す作業を取り入れていく事となるだろう。

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