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2011年2月 2日 (水)

LPCBL×製品プロト無注水軸受の摺動試験開始!

 さて、午前中に温度復帰後の軸歳差変位増分値の測定を終えたので、午後からLPCBLスリーブの試験を行っている。
 スリーブの摺動箇所がバージンな部位となるように、アンバランスウエイトの設置位置を180°ずらしているのは先日紹介したとおり。条件的には昨日までよりも気温が高く、装置の温度も若干高いのが違う。結構、気温等で数値が連動して変化するので、それを加味してデータは見なければならない。

 取り敢えず、速報値としては、

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1.供試材料
・滑り軸受:完全ドライ対応のカットレスジャケットベアリングのベース材
      内径100mm、摺動長55mm
・スリーブ:C/Cコンポジットマトリックスの改質材料、開発コードは、LPCBL

2.摺動条件
・摺動環境:完全ドライ×2[hours]
・ラジアル負荷:0.20[MPa]×6[m/sec]
        0.85kgのウエイトを偏芯半径130mmで1200rpm

3.結果
・摺動トルク:1.55[N・m]→1.25[N・m](1[hours])→1.25[N・m](2[hours])
・軸変位(隙間+振動):540[μm]→600[μm](1[hours])→630[μm](2[hours])
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 現在行っているのは、製品プロトの無注水軸受である。製品名称としてはカットレスジャケットベアリングと命名している。このベアリングは、耐摩耗性、無注水摺動性といった要素を従来の軸受とは異なる思想でデザインしてある。
 従来の軸受は軸受の性能を構成材料物性の選択で対応しており、特に、耐摩耗性というと物理的な機械物性を吟味して行うというのが特徴であった。耐摩耗性、無注水摺動性を両立するような材料選びが非常に難しいのが、この技術の泣き所である。

 しかし、今回のシステムは耐摩耗性、無注水摺動性の確保を、構成素材の材料物性のみで対応するという考えを捨てて、全く別の方法で、機能の分担を図ろうとする事が開発の原点である。分担としては、材料物性に加え、機械構造としての物体の運動特性等を積極的に利用したモノであり、結果として、材料物性に依存する要素が大きく減っているのが特徴なのである。
 先週までに行ったのは、この機能分担の考え方の有効性を実証するというのが一番であり、材料物性面については敢えて大きなハンディを残し、機械構造のみで、何処まで対応できるか?を実証した試験であるのは、前記事で紹介した通りである。

 昨日から行っているのは、この実証された機械構造に加え、材料物性面、特に機械物性のみならず、熱力学的物性もデザインに取り入れたモデルであり、機能保全に三重のシステムデザインを加えたモノである。先週までの試験では耐えるかどうか?が大きなテーマだが、今週の試験では連続運転による計測で、異常兆候が見られるかどうかを見るのが一番の目的だ。自分の求める計測数値の安定度が一番の評価項目となる。

前回の形状効果確認用軸受×LPCBLのデータの比較する。
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★.ベース×LPCBL(Hv=7000~、μ=0.1)
・摺動トルク:1.6[N・m]→1.2[N・m](2[hours])→1.48[N・m](24[hours])
・軸変位(隙間+振動):670[μm]→740[μm](2[hours])→720[μm](24[hours])
・温度復帰前歳差増分:740-670=  70[μm]
・温度復帰後歳差増分:720-670=  50[μm]
・温度変化分寸法変化:  70- 50=  20[μm]

★.プロト×LPCBL(Hv=7000~、μ=0.1)
・摺動トルク:1.55[N・m]→1.25[N・m](2[hours])
・軸変位(隙間+振動):540[μm]→630[μm](2[hours])
・温度復帰前歳差増分:630-540=  90[μm]
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 運転中のトルク変動、軸歳差変位の変化をモニターしているが、先のLPCDLと同じく非常に安定している。温度上昇は開始時の温度が高かった割りには上昇率は穏やかである。
 形状効果確認用軸受では、摺動発熱による温度上昇が温度上昇速度を低下させる機能を構造的に持たせていただけだが、プロトモデルでは、摺動発熱の凝着前における発熱抑制と凝着が生じない系構成によって発熱が途中から加速するような系の変態が生じない構造である。そのためか、温度上昇も穏やかで、摺動状態の変化を伺わせる軸歳差変位の変動、計測トルクの変動が全く観測出来ない。開放しなければ判らないが、少なくとも、開放しても何も変化が認められないという結果になるだろう。

 明日にはT製作所のエンジニアが来社されるが、午前中には温度復帰後の軸歳差変位計測を終えて午後からはLPCSPモデルの試験を実施しよう。その時に、実際の温度上昇からトルク変動、軸歳差増分変化等のデータ計測を御覧に入れながら解説を行ってみよう。

 

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