製品プロトの無注水軸受試験開始
先週迄は無注水軸受の基本モデルで無注水摺動試験を行ってきた。今週からは、製品仕様のモデルで試験を行う。
何がどう違うか?というと、、、、
1.摺動面の仕上げ
2.摺動面の物性(硬度、摩擦係数等)
というところ。
簡単にいうと、基本モデルは製品仕様として必要な最終工程を施していないモデルであり、見方を変えれば、先週迄の試験は、製品仕様の最終加工処理が失われた状態でも機能を保持出来るかどうかを確認するような試験である。
一般に摺動摩擦で接する二面の状態は、双方が滑らかなのが基本だけど、一方が滑らかで、一方が荒れた状態でも実は成立する。双方の二面が荒れた状態では摺動という状態は作れないが、一方が滑らかであれば問題無いのである。
本来の接し合う二面を滑らかにするという概念は、実は二面間に流体被膜が形成するという流体潤滑域を維持するための必要条件に過ぎない。流体潤滑域での使用でなければ、二面が滑らかであければならないという前提は不要なのである。逆に、非流体潤滑域の話であれば、むしろ接触面積を広くさせないという考え方で、二面の内、一方は荒れた状態という方が好都合の場合さえ存在するのだ。
勿論、摺動を流体潤滑で司らないというモデルを作り上げるには、境界潤滑に準ずるような流体を一部含んだ固体潤滑において低い摩擦係数を実現するために、一般に知られているような、つまり、道理に適った摩擦係数を低く保つ工夫が不可欠なのは言うまでもない。
今回の無注水軸受システムでは、無注水=非流体潤滑だから、固体潤滑状態で摩擦係数を低く保ち、使用過程における摩耗によっても、それが維持されるという機構を実現しており、それが鍵なのである。
固体潤滑状態で低摩擦係数を維持する方法に効果的なのが、今回の最終処理なのだ。
因みに、今回の無注水軸受のパッと見た類似性を他の機械に探ると、、、、、1964年発表の機械に類似性を見出す事が出来たりする。
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