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2011年2月17日 (木)

今日からサイクル試験

 本日からドライと低濃度スラリー中を繰り返すサイクル試験を行う。
 ドライとスラリーを繰り返すと何を受けるか?というと、、、、まずは、温度変化だ。但し、ドライ運転によって摺動部温度が異常に高くない限りでは大きなダメージは無い。
 傾向としては、ドライ摺動、スラリー摺動を繰り返すとトルクが変化し、軸受系の温度が変化し、軸歳差変位が変化するというパターンだろう。

 前世代のゴミみたいな先行待機運転対応のセラミックス分割配置型軸受では、軸受隙間が非常に大きく、ドライ時と流体潤滑時の駆動トルクに大きな差があり、非常に大きなトルク変化、軸歳差変位の変化があったけど、今回はそのような変化の程度は僅かだと考えている。

 過去のサイクル試験を振り返ると、、、、セラミックス分割配置型の軸受では、セラミックの背面に緩衝材ゴムと接合させる前のプライマー層であるシランカップリング剤がダメージを受けてセラミックスメタルが緩衝材から剥離するという現象を確認した事がある。
 これは、セラミック軸受と超硬合金スリーブの無注水摺動試験で局部的に100[℃]以上に到達する事が原因で、この古いタイプの軸受の限界温度、これはシステムを形成する技術の一番耐熱性の低い部分であるシランカップリング形成層の耐熱温度で定義されるからだ。

 このシランカップリング層は、シランカップリング剤の脱水反応で形成させる有機と無機を架橋する層だけど、この温度限界が一般には100[℃]程度、170[℃]を越えると完全に分解する。一時的な温度負荷だけなら形成層全てが一気に壊れる事は無いが、繰り返し負荷を受けると破壊は進行する。
 特に、上述のサイクル試験を行うと温度変化が大きく、膨張係数の大きく異なるモノが接合されているので、その界面は接合力を失い、激しく膨張収縮を繰り返す事で加速度的に接着層が失われる。

 対策としては、セラミックメタルの軸受内での脱落を防ぐようにセラミックメタルを緩衝材ゴムに鋳ぐるみ的に囲い込む方法があるが、本質的には劣化損傷は免れないのである。

 このタイプの軸受を成立させるには、超硬合金スリーブはナンセンスであり、少なくとも低発熱な軸スリーブを用いなければダメである。

 過去のサイクル試験では、軸受に潜む本質的な欠点を承知した上で実使用環境下でも取り敢えず問題無い事を確認するために行っていたが、今回の系では、セラミックス分割配置軸受のような形成要素の不可逆変化を来すような部分が存在しないので、実際は大きな意味は無いかも知れない。

 で、この結果も取り敢えず記述する。

 一言でいうと、軸歳差変位は、水の有無に影響されない。完全に軸受部温度に依存。温度次第。勿論、温度変化に伴う変化量は最小の組み合わせにしているから、その差は極めて小さい。

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