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2011年3月 3日 (木)

FRM

 複合材料で繊維強化プラスチックというとFRP。でも、繊維で強化した金属はFRM。
 強化する繊維も形態によって様々で、短繊維、つまりウイスカーを分散させたもの。長繊維であるファイバーを用いたモノ。最近では連続繊維を用いたモノとあるようだ。

 最近、CFRPに代表されるようにFRP系は良く聞くけど、FRM系の材質はあんまり耳にしない。レーサーレプリカブームの時には、ピストンを強化するのにFRMを用いたモデルがあるっていうのは記憶にあるけど、最近はどうなんだろう。

 通常、繊維で強化するというと、言葉の通りに強化ということで機械物性の改善が主目的となるんだけど、FRMっていうのは果たして、言葉通りに機械物性を強化するという意味合いから見て適切か?というと、チョット疑問に思う事がある。
 金属からみて繊維を含むということは、金属の機械物性を如何に高めているか?というと案外見えにくい部分があるからだ。

 なんでこんな記事を書くか?っていうと、実は、今現在、無注水摺動システムに用いる材料には考えようによってはFRMのような複合材料を用いており、その複合化によって材料に与えられる機能は、少なくとも機械物性の改善という部分ではなく、別の要素の物性変化が主体であり、そのような複合化を行ったのは、機械物性とは異なる物性変化を期待してのことである。

 チョイ昔のFRMっていうと定番的に短繊維を分散して用いる事が多かったけど、長繊維とか連続繊維を用いてやると結構面白いのだ。そういう複合材料はあまり見掛けないけど、FRMって言葉通りに機械物性を主体として狙えば、同材で形態違いの複合化なんて道筋も開けそうだ。こういうのは粉末冶金技術を組み合わせて作れば面白いモノが出来る。同材ベースで形態の複合材を作れば、複合材料の弱点であるリサイクル性という面では大幅に改善されるからだ。

 こういう材料が使えそうな用途を探すのも楽しそうだ。

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