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2011年3月10日 (木)

柔軟性、応答性

 先日のプルプル筋肉の話以来考えている事。
 筋肉は力を入れている時以外は柔らかいのが良いのでは?という考えで、柔らかいっていうのは筋繊維の繊維横断方向、筋繊維の繊維と同方向について言える事だと考えている。

 筋肉っていうのは一言でいうとどれも同じようだけど、筋肉っていうのは随意組織であり、筋肉に対しては命令系統である神経組織が接続されており、筋肉が随意組織であるということは、思い通りに動かす事が出来て初めて意味があるとも言える。思い通りに動かすというのは入力、脱力の応答性であったり、様々な動き、力加減が自在に行えるということと言い換える事が出来る。脱力が完全に出来て、大量の筋肉を迅速に運動させるせるには、命令系統である神経系が組織一つ一つに接続されているというのが大前提である。

 勿論、筋肉を動かすと、それにはエネルギーが必要であり、命令系統と併行してエネルギー、老廃物の出入りも迅速かつ高速に行われるという機能が無いと話にならない。

 こうして考えると、筋トレという形で筋肉組織自体を肥大化させて鍛える事は可能だけど、実は、肥大化した筋肉組織を迅速かつ高速に動作させるための神経回路と、その動作を長時間スムーズに行わせるための循環系統も当然の如く必要不可欠ということになる。

 神経回路という部分の発達を成長後のトレーニングで期待するというのは難しく、この部分は身体の成長過程において該当部分をしっかり動かす運動経験によって大きく左右される。スキャモンの発達曲線なんかが判りやすいけど、動かす神経系っていうのは小学校卒業迄が勝負。循環器系は中学卒業迄が勝負ということである。

 そういえば、身体が生まれつき硬いという話を耳にするけど、小学校時分にそういう運動してきたか?の差なんだろう。

 筋肉が随意組織であると言う事を考えれば、筋肉を思い通りに使えないと話にならない。抜く時は抜いて、入れるべき時に入れる。つまり、柔軟で応答性の優れた筋肉でこそ意味がある、、、、そういう事なんだろう。筋肉を付けるトレーニングは数多く紹介されているけど、筋肉の増強には、それに見合った命令系統と循環系がセットというのが使える筋肉の増強に繋がる筈である。

 思い通りに動く筋肉があってこそ、初めて、用途に併せて使える。使う筋肉と見せる筋肉の場合、筋肉が如何に機能するか?という部分が違うのだろう。

 因みに、使う筋肉の場合、何に使うか?というので鍛え方も変わってくるだろうし、何?の部分で、運動する場合に、どの様に使いたいか?を意識していなければ、持っているモノも使えないという事になる。この辺が詳しく判っている人というのが、その競技におけるトレーナーと言えるだろう。

 このように考えると、筋肉一つでも実に奥深いモノである。結局、使える筋肉を得るには、どの様に使いたいか?が判らないと、これまた意味無い訳であり、少なくとも使えるという部分を考えれば、どのように使うのが最善か?を納得して理解するというのが一番大事だということである。

 そういえば、以前、自転車速くなりたいオジサンが、物陰に隠れてスクワットしていたけど、筋肉が付けば速くなるという訳でもないのだ。

 結局、何か答えが欲しければ、踏むべき手順の根拠となる理屈が必要で、その理屈を具現化した時に、それぞれの段階で具体的にどうするか?どうしなければならないか?が判らないとダメなんだろう。

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