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2011年3月17日 (木)

本質安全志向

 先日もチョット書いたけど、大事なのは本質安全志向である。

 通常の安全っていうのとは違う。通常の安全っていうのは、想定の範囲で安全という注が付く。つまり、ある条件で安全というだけ。その条件に持たせる余裕が安全率と言う言葉だ。

 思うに、人命に関わる機器の設計思想は、限定的安全でなく本質安全思想が必要である。

 津波にしても10m以下なら大丈夫、、、でも10m越えたらアウトとか、、、、そういうのはダメだろう。

 今、片手間という訳ではないが、半分趣味で行っている事がある。これは、大企業が製品として自治体に納める機械に用いる部品。機械は何?っていうと、最近ヒット率の高い製品、『先行待機ポンプ』だ。これは、ゲリラ豪雨等で急激な豪雨で雨水が溢れ河川等が氾濫し、都市部が浸水する事故に対応するポンプ。このポンプは豪雨警報が発せられると、雨が降る前から雨水を集めるタンクに設置したポンプを回して、流れ込む水を来た端から海等に送り出すポンプ。つまり、雨降り前にブン回すポンプだから、原則、水の無い状態で高速運転が強要されるのだ。

 となると、どうなるか?車のエンジンにオイルを入れずに回すのと一緒。つまり、回転体を支える箇所が焼き付くのである。
 水無しで運転すると温度が上がる。下手すると焼き付く。温度が上がっている状態にいきなり水が入る。急激に温度が下がる。すると、下手すると高温ガラスを急冷すると割れるように割れる。さらに、泥水が入る。エンジンに砂を入れるようなモノ。すると、回転部分が一気に摩耗する。

 こんな具合。こんな条件で何年も安心して機能させるには、水無し運転でも温度上昇が起こらないし、焼き付かない。急に水が入っても砕けない。小石や砂を噛み込んでも削れない。こんなシステムが必要なのだ。

 こんなシステムで皆が苦労するのは、水無しで焼き付かない。焼き付くのは、軸が膨張して軸受にカジル状態。理由、軸が膨張するから。軸の周りが膨張しないから。これの対策には、条件を指定して発熱量を制限して、ある限度で使える的な対処を行うのが殆ど。

 でも、これって条件付き安全に過ぎない。

 本質安全とは何か?

 それは、温度が上昇すればする程、軸と軸の周りの隙間が広がればよいのだ。そういう設計思想、材料設計が必要なのである。

 また、砂で削れないために砂より硬い物を使う。硬い物を使うと熱変化で割れやすいのは皆知っている事。そこで、硬い物を厚くしたり、割れにくいように分割構造を採用したりする。しかし、厚くても限度で割れる事実は変わらないし、分割にする程、隙間に石やドロを噛み込むリスクが高まる。そこで、或る程度の異物なら安全という思想で物事を対処する。

 やはり、これって条件付き安全に過ぎない。

 硬い材料の割れのメカニズムを理解したり、噛み込みの原因となる物体の動きを理解したら、運転中は自然界の法則的に隙間にドロが入らない構造とか、割れが発生しない構造もあり得る。

 これが本質安全なのだ。

 こういう本質安全に従った思想こそが完璧というか絶対に必要なのである。

 本質安全を理解するには、挙動を細分化して、挙動を支配する論理に従った設計を行うのがベストなのだ。それが出来ないと、、、、、本質安全の実現は困難だろう。

 因みに、開発中のシステムは高温になる程、強度が増して、高温になるほど物理的に焼き付きと反対方向に変化する。そして、そもそも割れるという概念が通用しないモノで出来ている。因みに、これが先行待機ポンプ用の無注水起動摺動システム。

 今は、このシステムの運用状態を遅れ無しにピックアップできる監視システムをデザインしている。構造的に従来品と違い、センサーへの検出遅れが最小限度となっているので、実にスマート。理想は、本質安全なシステム全ての完成だったりする。

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コメント

こんばんは、コメント有り難う御座います。
そうなんですか!なら、凄いですね。
色んな選択肢があって競うのは大事です。

しかし、スクリューシャフト最下端の軸受がドライ状態でも耐えるのですか?末端が水に浸かっているというシステムは通常の斜流長軸でも可能ですから、、、

投稿: 壱源 | 2011年5月29日 (日) 19時51分

先行待機ポンプわアルキメデススクリユウで可能です

投稿: こうじーかしやま | 2011年5月29日 (日) 19時44分

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