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2011年3月19日 (土)

原発対応から見える事

 福島原発の対応、炉心への注水活動で炉心内の水位は半分程度が保たれているとか、、、それで今やっているのは何?っていうと、使用済み核燃料保管プールへの注水というか放水、散水行為。しかし、この効果を得る時間を考えると、かなり厳しい。点検中の5号機、6号機も毎日5[℃]の水温上昇。今が70[℃]なら30[℃]上昇に6日。6日で沸騰状態になるということ。

 ここで、ふと思った。同じ条件と考えて良い5、6号機が未だ70[℃]に保たれて、共用プールもヤバイかもしれないという情報。現時点で1、2号機の話が出なく、3、4号機が特に今ヤバイ?っていうと、それって水漏れしているからではないかと、、、、、水漏れの原因は建家の水蒸気爆発、冷却配管の損傷部からの漏れだろう。それで水位が急激に減ったのが原因と考える方が道理に沿う。3/18時点で水が残っているかどうか?の状況だけど、すでに4m燃料棒が露出しているかも知れない的な話は、既に水位で8m程度は漏れ出ているのだ。1週間で8m分が無くなっているのである。それでいて水蒸気が発生しているというのは、発熱で蒸発したというよりも、水漏れで失ったと考えるべきだろう。

 となると、一度で30トン程度というのは、満水で1400トン、燃料棒が露出ということで2/3以上は失われている筈。つまり1000トンは無くなったのだ。1000トンが7日で漏れたということは、日に150トンくらい漏れたということなのだろうか?これに放水量30トンというと、正直、厳しすぎるように感じる。

 こんな話が今頃出てくるというのは、気付かなかったというよりも、報告する必要性を認めなかった政府と東電の意思が働いたのだろう。その意思の根拠、恐らくだけど、炉心への海水注入等を行わなくても、世間を騒がせなくても、原子炉を安定状態に持ち込めるという目算があったのだろう。隠す意思というよりも、言う必要性を認めなかったということ。もっと言えば、簡単にシステムの再起動とバックアップ機能による対処が可能と考えていたのだろう。そう、舐めていたというのが正解だろう。それが対応を後手に廻らせて、舐めていた事を認めるような発表が行えないというのが今の事態かもしれない。

 ところで、現時点で期待を掛けるような報道が多い電源復旧でも、冷却プールでさえ水漏れ箇所が疑われている現状でシステムが機能するか?というと、かなり厳しい感じを受ける。それを当人達が自覚しているから、電源復旧工事を後回しにしているという辻褄が合う。本来なら電源回復による冷却システム再起動が最優先の筈だけど、電源回復工事の遅れ具合を見ると、優先度的に低い状態に位置付けられているような気もするし、その時点で外部電源による再起動というのは可能性的にかなり厳しそうである。

 この論理でシステムが起動できそうなのは、離れた5、6号機、それから建家のダメージの少ない2号機程度、後は、1号機、4号機、3号機と厳しい様子。しかし、どれか一つでも解決出来なければ、問題は解決出来ないと言う事だ。これが原発事故の怖いところ。
 客観的、冷静な判断を行えば、これら全てが問題なく解決できる可能性という面で、米、韓、豪、仏各国が80km以上の避難勧告を出しているのが現実だろう。

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