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2011年3月15日 (火)

バネ感

 押し出されるような!とか、弾けるような!といった形容詞でフレームが喩えられる。特に、チタン、クロモリ、カーボン系のフレームの形容表現に多い。

 で、これってどういう意味?というと、感じる事が出来るかどうか?と言う前に、形状的に説明してみる。っていうのも、これでの質問があったから。

 これ、メインサイトにも記事にしている内容と被る。

 そもそも、ペダリングというのは踏んでいる瞬間とそうでない瞬間の繰り返し。駆動力は断続的に加えられる力で生まれている。

 ペダルを踏んで動力が伝わる時、どうなっている?っていうと、チェーンが張った状態になっている。実際に、チェーンリングとスプロケットの歯の間のチェーンは突っ張っている。この状態でチェーンはチェーンリングを後側に、スプロケットを前側に引っ張っている。この状態は、クランクが水平状態に為った時である。このチェーンがチェーンリングとスプロケを内に引っ張る時どうなるか?一部は、推進力となるけど、一部がハンガーとリアアクスルを縮める方向に作用し、後三角の駆動系側が縮もうとする力が掛かる。結果、後三角が駆動系側に歪んでいる。
 ところが、クランクが垂直方向になって駆動力が抜けるとどうなるか?そうなると、変形した後三角が元の形状に戻ろうとする。つまりチェーンリングとスプロケの間のチェーンを拡げようと張力が発生する。この張力はスプロケ側から見ると駆動力として作用する。

 行ってみれば、【ペダル水平時における入力=駆動力+後三角を変形させる力】であり、この【後三角の歪みが開放される時に発生する張力=ペダル垂直時における駆動力】となっているだけである。加えた力の一部が遅れて駆動に使われるということから、押し出されるような!って表現に繋がっている。
 カーボンフレームで後三角が左右非対称のモデルが見られるが、この辺りの事から後三角の力学的な負荷が左右非対称という理屈に基づくモノであり、これは合理的なデザインといっても良いのだ。
 このような変動トルクの平滑化を狙うために後三角をカーボンでデザインしたり、シートステーをキャリパー上で合流させるようなデザインが存在するのである。

 同じフレームでもシートステー、チェーンステーの太さ、断面形状、シートステーのシートパイプでの繋ぎ方を見る事で、フレームがコンフォート系?或いは、レスポンス重視系?って事も或る程度は見抜けるのである。こういう風に、フレームのスケルトン、パイプの結び方、断面形状、三角の大きさ等々で、結構、乗り味はイメージできるのである。

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