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2011年3月11日 (金)

潤滑機構を布教?する

 この度の新しいシステム、無注水起動可能摺動システムだけど、これは全力先行待機運転ポンプに対応もするけど、それ以外の用途にも適応可能である。
 具体的には注水が必要な縦型長軸の斜流ポンプ、或いは、激しい相変化を伴う流体を扱うポンプ、具体的には揮発性液体を変動運転状態で使うようなポンプで、プラントのプロセスポンプ等にも適応可能である。水以外の揮発性物質というと、ガソリン、アルコールが該当するけど、これらの流体が運転状態によって気化するようなモノでも使用可能であり、具体的な荷液流体としては、アセトン、メタノール、エタノール、ベンゼン、ガソリン、ケロシン、重油、原油等々が想定される。

 そのためか、最近、当サイトには打ち合わせ中の先行待機ポンプメーカー以外のドメインからも頻繁なアクセスが見受けられる。水処理関連であれば最大手のメーカー、舶用関連であれば中小型の油搬送用渦巻きポンプメーカー等が見られるのは興味深い。

 さて、結構理系の人が見ているので、チョット追記してみる事にした。

 一般の軸受の状態を表す線図に、先日記事にしたストライベック曲線というのがある。これは横軸に軸受定数、縦軸に摩擦係数をとり、軸受の状態で摩擦係数が如何に変化するか?を示した線図であり、境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑における形態と摩擦係数の変化も示している。

 今回のシステムでは基本は無注水摺動~境界潤滑における低摩擦係数の実現ということで、固体間の接触物理、接触化学の世界で知恵を絞っており、固体接触が生じても、摩擦係数が増加する因子を一つずつ消す事によって固体潤滑が生じても摩擦係数は低い状態を保つようになっているが、実は、勘所は別の所にもあるのだ。

 っていうのは、ストライベック曲線からも判るように、流体潤滑状態よりも混合潤滑状態の方が摩擦係数が低くなる事がある。この現象を軸受定数が大きな状態でも実現するにはどうすれば良いか?を推定したモデルを作り開発を進めてきた。それが今回のシステムであり、そういうモデルを具体化する上で発生する潜在的な悪癖を如何に無くすか?が開発の指針だったりするのだ。

 混合潤滑状態を作り出すというのが前世代の軸受システム、そして、そのシステムで起こりうる悪癖、特に、無潤滑を容認するために施す数値的な設定が悪癖を呼び起こす事が最大のネックとなっていたのだが、これを根本から解決するように施したシステムが最新のシステムなのである。

 形態的、構造的に大抵の問題は解決しているが、やはり評価は実環境で耐える事ができるかどうか?が一番重要なのである。
 そのために、自分の努めるメーカーのみでの使用では話にならない。そこで、メーカーの製品としてパーツシステムを卸すパーツメーカーを窓口に、出来るだけ多くの(ポンプ)メーカーに評価を委ね、可能なら製品採用を頂く事を考えている。

 

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