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2011年4月25日 (月)

最新の無注水起動軸受の隙間の決め方

先行待機ポンプに適用可能な表題の軸受システムを各所で評価依頼中である。

さて、このシステムの特徴は、無注水摺動によって温度が上がる程、発熱因子となる要因が減少するような設計で基本は深刻な事態には絶対的に進行しないデザインである。

この設計思想は、E社等が採用するPEEK軸受、その他ポンプメーカーが採用するセラミックス軸受とは180°異なるのである。勿論、自分の作成していた前世代のセラミックス摺動材を用いた無注水軸受も同様である。

旧来のデザインでは、軸受の生命線である隙間指定が不可能だったのだが、今回のデザインは隙間指定が論理的に求める事が出来るのが大きなメリットである。従来は、深刻な事態を回避する安全率を高める程に、通常使用時における別の問題が発生し、これが別の意味で深刻な事態を招くのである。この別の意味の問題というのが、自励振動であり、スリップスティック挙動なのだ。

さて、このような問題から解放された最新のシステムでは、軸受本来の性能を追求すべく理想の隙間を設定できる。この隙間を決める作業が実は一番重要なのである。

一般に従来手法では隙間の決定は結構いい加減でどんなメーカーさんも過去の前例に従った方法での決定が支配的であった。

しかし、今回は軸受に作用する荷重、周速から厳密に摺動状態を求め、その状態における偏芯性、形成水膜厚さ、摺動時摩擦係数、発熱量を厳密に算出出来るアルゴリズムを生みだしてプログラムで求めるような体制を敷いている。

この計算によって、従来いい加減に行われていた隙間の管理がしっかりと把握できるのが大きなメリットとなっている。

状態によって、流体潤滑域、混合潤滑域でも摩擦係数が最小となる域、その前後域の幅、境界潤滑域、、、、いろんな状態を厳密に把握できるようにしてある。この状態を把握する事で、無注水起動特性のみならず、その状態からの注水運転、通常運転から落水状態といった様々な条件で最適と判断出来る数値を決定する事が出来るのだ。

この摺動状態を把握するためのシステムと、そのシステムを再現し各部状態を計測できる運転装置がお互いに補完し合う事で、軸受性能として従来製品以上の性能が提供できるのである。

というのが、今の考え。

そう、隙間を決めるのは、摺動条件(周速、面圧、指定寸法)から形成水膜による状態(厚さ、摩擦係数、発熱量)を推算し、推算結果を実証するための試験装置で確認した上で数値を選択するというスタイルなのだ。

恐らく、こういうスタイルでこの部分をデザインする企業は他には無いだろう。

今回のシステムは、原発の安全率ではないけど、安全率という概念が殆ど存在しない。っていうのは、制御不可能に成り得ない方向でモノが変化する構造。基本は厳しい状態になる程、静定方向、収束方向に変化するから。

勿論、システムを構成する各パーツは製品前試作では性能的、精度的に全くダメな状態での試運転評価を行っており、どんなにダメダメなモノでも機能を維持出来るという事を確認している。その上で、そのシステムを高級に仕上げるという考え方なのである。
そういうシンプルでありながら、具現化のプロセスでは全ての要素を自然科学的に実証された論理を用いて具体的な数値を算出するというスタイルである。第六感とか、伝聞、山勘っていうのは一切無しである。

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