円高、円高、、、、五月蠅いなぁ、、、
勤務先で色んな奴が相談にくる。
輸出製造業だから円高で将来が不安、新しい事も上手く行かないから不安、、、、
馬鹿か?先の事は判らないし、一人だけが円高で苦しむ訳でもない。同じ境遇なのは沢山いる。ということで、超楽観的に強引にこじつけてみる。
楽観すれば心配無用だ。受注~決済迄の期間が年単位の業種で、なおかつ、同業他社で同じ生産規模を誇る会社が存在しない。台数シェアを見ると殆ど独占している現状。更に、製品納入先から得る代金は、製品納入先の最終完成品価格の1%レベル、、、、、
これから考えたら、円高といっても製品納入先から来るのは価格抑制圧力であり、余所から調達するという話にはならない。それは、マーケットの占有シェアが大きいから。顧客が余所から調達するとすれば、調達に関わる経費上昇が否めない。となると、現実的には売れなくなる事が有り得ない。これは、自動車、家電と大きな違い。代わりとなるモノが必要量供給出来る別の選択肢があるか?というと、幸いにも、勤務先には、そういう相手が存在しないからだ。
価格圧縮圧力はあっても、売れなくなる事は無い。そういうもん。価格圧縮圧力に屈して万歳した時点で、その金額で受注は決まるだろう。
つまり、どんなに円高で価格圧縮されたとしても受注は確実に存在する。円高で問題となるのは、円高による受注減ではなく、円高傾向によるドル建て受注金額と決済金額の為替差損分が問題であり、円ドルレートの絶対値ではない。レートの絶対値で受注を失う業種とは全く違う。円高傾向で差損が出て、円安傾向で差益が出るというモノ。
為替の傾向を見ると、
http://sisannka.com/dn.html
二十年の変化が一番下に載っている。今回の円高傾向は2007~2011年の四年だ。過去最長は、1990~1995年の五年である。それ以外では傾向は2年から3年の周期で動いている。総合的には円高傾向だけど、円高推移期間の80%程度の円安推移期間が繰り返されている。となると、これから絶対レートとしては過去より円高だろうけど、円安推移期間が相当に見込まれる。
そうなると、今の受注残は全て差益と転じる可能性も小さくない。
こんな会社、稀だろう。潰れる事は無いだろうし、そんなにびくつく事もない。そして、企業として、競争相手が居ない会社だから、色気出して新製品とか新技術とか、そういうのも不要だ。それ無しで今迄やってきている。そういう色気を実践する仕組みも無い。大事なのは、今を堪え忍び、昔流にこなす事。それで良いだろう。
逆に言えば、経営者の代替わりの時代、新しい経営者は自分の痕跡を残したがっているだけである。機能しているとは言い難い新工場、他社技術に乗っかったブランドを掲げる新商品でも良いから、何度も新製品立ち上げに失敗しても、載っかる先を探す行為、、、これは全て経営者が自分の痕跡を残したいという欲望というか見栄というか、そういう気持ちからの行為。こういう行為をやってみよう!と実践出来る時点で十分以上に余力があるということ。あんまり心配する必要は無いだろう。ホントに切羽詰まったら、こんな無駄は有り得ない。
まぁ、難しい事はせず、コツコツと従来通りに地道に進める、、、これが一番。まぁ、資産や留保も十分だし、進め方としても、これが一番と思っている人が多いようだから、少なくとも、十数年は安泰だろう。
円高で問題なのは、それで価格圧縮圧力とは別に受注を失うというのが一番怖いのだ。値下げ要求があっても沢山売れる、、、なら、大丈夫。
心配せずに、前向きに頑張って貰いたいものである。
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