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2011年10月28日 (金)

水中セラミックス軸受の事故

 こういう検索ワードが数件、、、東京、丸の内から、、、

 で、経験談。

 理屈の上では耐摩耗性を確保するためにセラミックス軸受を用いる、、、、これは論理として正しいように見える。
 しかし、、、、摺動材料にセラミックスを用いる事は正しいか?というと、個人的には間違いだと思う。
 この類の軸受は、固定側(環側)がセラミックス、回転側(軸側)が超硬合金という組合せ。セラミックスに用いるのは、通常は炭化珪素、窒化珪素という材料。双方に高硬度の材料を選んでいる。固定側のセラミックス材料は、軸受内径が120mm程度までならば一体構造の円筒モノを利用するが、大径サイズとなると製作難度が高くコストも孕むために、摺動部材を円筒内周面に分割配置した構造を選ぶ事が多い。
 なお、軸受円筒内側の内壁面には、摺動時に於ける水膜形成性、異物排出性、摺動面冷却性を確保するために、溝を儲ける。溝を通って異物を排出し、広い摺動面の水膜欠損を防ぐ工夫が為されている。
 更に、溝と摺動面の境目には、水膜欠損を防ぐようにR加工が為される場合が多い。
 円筒一体型の内周に溝を加工して設置するのは、円筒一体型セラミックスの剛体強度を著しく低下させるが、それ以上に、上述の問題を重視しての結果となっている。

 軸側の超硬合金は金属製の軸材に嵌め込まれているが、超硬合金と軸側金属の接触使用は局部電池を作り電気的な腐食を招く場合がある。この組合せの最大の問題は、膨張係数の大きな金属軸の周りに、脆性材料で膨張係数の低い超硬合金を被せて使うところが一番の問題となっている。

 この系の問題は、部品の中心から外周にむけての材料配置デザインが、致命的な問題を抱えている。この問題の詳細は割愛するが、その結果として、システムを運用可能温度範囲が5[℃]~70[℃]という制約を受ける。多くのシステムでは、その制約をクリアするが、場合によっては予期せぬ事態によって、その限界を超える事が多々発生する。

 その予期せぬ事態が発生した場合、全てのセラミック軸受は異常事態に5分程度晒されると、99%の確率で再起動不能な破損状態に陥る。これが現実。

 この破壊の基点は、軸側材料の超硬合金製軸スリーブの破断だが、破断防止に肉厚を非常に大きくしても、コストに対する効果は小さい。試験では、肉厚を軸直径の20%としても12分で壊れた。最終的に壊れるというのは、想定外という言葉を壊れた時に使わざるを得ないということを示している。

 この異常事態に陥る条件は何か?

1.異常に高濃度のスラリー環境
2.想定外の無水状態
3.異常に軸芯がずれた高偏荷重状態
4.異常に高温の熱水が流入した場合
5.布、紙、ヘドロ等の軟質異物の噛み込み運転の継続
6.オーバースピードによる速度超過
7.操作ミスによる空運転

 といった環境。これを想定外と捉えるか?ポンプとは、こういうモンであると捉えるかによって、想定外という言葉を使うかどうかになる。

 このような条件によってもたらされる環境によって、セラミック軸受は100%破壊可能である。そういうもんなのだ。

 そもそも、耐摩耗性、、、、といことで、高硬度材料、だからセラミックスという論法自体が誤りの始まり。

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