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2012年1月 9日 (月)

アルテグラDi2

 FELTのカーボンフレームに電動アルテグラが組み付けられた試乗車がニシダサイクルさんに準備されていた。
 ということで、試乗してみました。
Dscf0087

 最新のカーボンフレームに、先端を行く電動変速機構を持つコンポ。

 変速操作は、スイッチを押すことで行われるタイプ。変速スイッチを押すとヌルッと変速する。そして、Rメカの位置に合わせてFメカのゲージが自動的に微調整されるもの。

 第一印象、、、、、初期の電スロの車や単車のアクセルレスポンスみたい、、、、スイッチを入れて一瞬の間があって作動する感じ。作動は如何にもモーター駆動、、、、、
 それから、、、、初回の操作では、飛び越しチェンジが出来ない仕様か?少なくとも、説明無しで乗った時に飛び越しチェンジする方法は思い付かなかった。
Dscf0088

 変速を繰り返し行った印象では、変速自体は至って普通。極、自然。変速自体の速度自体はメカ式の方がダイレクトな印象。ただ、変速による手首、指先のオペレーションは最少だから、レスポンスが犠牲に為ったとしても疲労は少ないのだろう。っていうより、少々のレスポンスを犠牲にして、万人が操作する上で必要としてきた微調整というモノを無くしたモノという生い立ちだろう。長距離競技においては、そういう快適性の追求が最終的に疲労の軽減に効くという考えもアリだろうから、こういう方向性も有り得る訳だ。
 何度か繰り返し行ったシフティング操作でも、まぁ良く出来ていると言えば良く出来ているけど、なんていうか、それ以上でもそれ以下でもない。しかし、個人的には、通常のワイヤー駆動式のリリースサイドへの変速の軽快感が無くなったのは大きなマイナスポイントだ。プルを電動、リリースをスプリングというハイブリッドの方が良いかもしれない。

 まぁ、自分自身が旧タイプ志向だから仕方ないかも、、、、単車でもインジェクションは好きじゃない。キャブは強制開閉のPJとかVM、CR、TMが好き。BTL(バックトルクリミッター、スリッパークラッチ)も嫌い。車でも電動パワステ嫌い、ABS嫌い、AT嫌いで、3ペダルMTマンセーだし、、、、人の操作が熟練すれば可能な操作は、それで良いというのが持論。そういう意味では、自転車の変速はダブルレバーで十分というのが最近の考え方だったりする。
Dscf0089

 思うに、、、、こういう技術の出始めの一発目としては上出来だけど、恐らく、これがトレンドとして進んだとすれば、三世代くらい先に完成するような印象。
 現状としては、ワイヤープル+スプリングリリースによるメカ式の方が個人的に好み。メカ駆動を何で行ったとしても、基本構造は一緒。基本構造が一緒ならば、変速操作を行う際の駆動変動から感じる感覚を考慮しながら操作するという連動性は不変。大きな駆動力を掛けながら変速をする事自体がナンセンスだし、そういう操作で変速系に掛かる負担がメカ式なら実感出来るけど、このようなスイッチ式の場合、駆動側の状況に寄らず変速は強行されるのである。つまり、変速を如何に行うのがメカに優しいか?が判らなくなるのだ。

 これって、四輪の2ペダルMTの自動ブリッピングとかにも言える事だけど、そういうブリッピング操作が出来ないドライバー、単車の大排気量バックトルクをブリッピング代とクラッチ再ミートのデリカシーが理解出来ないライダーを増やすのと同じ気がする。
 自分がSV650Sでのウエットワインディングで繊細な操作を楽しんで走る喜びを感じる事があるけど、そういう事自体が理解出来ない人も居る訳で、そういうメカの連動性、常識が見えなくなる方向に自転車も進むのか?と思うのが正直な感想。
Dscf0090

 それから、最新のカーボンフレームに組み付けられた自転車トータルの印象。確かに漕ぎ出しは軽いけど、、、、20km/h程度の速度が出たら、その差は皆無。正直、よく判らない。車体の軽さ故に、ギャップに乗った時の反動の強さは小さくない。軽い車体がピョコピョコ動くような感じ。剛性については不明。同じ衝突力を得た時、軽い車体は跳ねやすい、、、そういう風に感じる。バックフォーク、フロントフォークの材質、ホイールの組み方の違いによる乗り心地の差は確かに存在するだろうけど、それと車体の剛性は別問題のような気がする。
 そう、単車で言うと、重量車と軽量車の乗り心地の差だ。この乗り心地の差を剛性とか強度と勘違いする人が多いけど、それは全く的はずれなのである。剛性とか、そういう次元は、車体がしなる程の駆動力を掛けた時に発生する訳であり、そんなトルクを生める乗り手なんて極僅かだろう。単車の世界でフレーム剛性の差を痛感というと、、、、昔、畑賀の出雲大社前下りのS字を責める時、RZRのフレームペイントが溶接部からチッピングで浮いて剥離していたけど、ああいう現象。後に乗ったTZRでは感じなかったのだが、その違いこそが剛性の違い。自転車であったとしてもフレームをよじらせる力が掛からない限りは判らないのだ。
 今時のサイクリストが試乗レベルで硬いとか柔らかいとか印象を行ってるけど、、、そんな印象から、空気圧、車体の軽さによる衝突反力による加速度の差を除外して考えると、どれだけが本物の感想か?なんて怪しいモノだ。

 まぁ、そんな感じ。

 今回の印象では、電動メカよりも、寧ろカーボンフレームの強度ってどうよ?という面で感心が沸いたのが正直な感想。カーボンフレームの強度、、、トルクを掛けて乗ってみたい、、、つまり、ピストのフレームにカーボンフレームを使ってヒルクライムした時の軋みがでるか?が関心がある。

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