テリトリー
勤務先で色々相談を受ける。
その結果、辞める人も少なくない。悩む人も少なくない。
で、良く聞かれるのは、辞めた方が良いのでは?という質問。
答えとしては、、、まぁ、タイミングを見計らっているというのが回答だ。
一方で、タイミングを見計らっているということは、少なくとも留まっているのだが、その理由は何か?辞める人、悩む人に対して、留まっている理由、その違いは何か?というと、、、
一言で言えば、拘っている事を最低限度の干渉で行える立場を得ている事と、、、、自分だけの世界を物理的に作り上げている事が上げられる。
もしも、自分だけの世界がなく、拘っている事が出来ないのであれば、訪れる人と同じ選択をする可能性は高い訳だ。つまり、精神的にも物理的にもテリトリーを確保しているからという答えである。
では、タイミングを見計らう理由は?
それは、拘っている事を進める、完成させる上で、今のテリトリー(縄張り、肩書き、機材)が必要なくなる時を探しているということ。
少なくとも、今の環境は、貴重な環境なのだ。今行いたい事を進める上で、使える環境が有意義というのが最大の理由だ。それが留まる最大の理由だ。
完成させたいモノが完成し、市場で通用することが明確になれば、今の資材は全く不要となる。その時が行動を起こす事を考えるタイミングとなる。
作りたいモノは、第一世代、第二世代、第三世代とある。
因みに、第一世代は、大昔の社内向け新製品(前世代)の機能強化製品。これは社内設備で製造する非常に高価な製品。第二世代は、社内設備を使わず汎用工作機械で製造しつつ性能を高めた製品、第三世代は第二世代を更に大幅なコストダウンを測り製品製作のハードルを一気に下げた製品。第一世代迄は勤務先の設備、特許の行使が必須の製品だが、第二世代以降は全く不要。ローテクの組み合わせでハイテクを上回る機能を提供するクラス。
今、第三世代だ。第三世代は、安価に製造可能で、何処ででも出来る。特異な技法、技術は不要。つまり、自分が何処にいても製造可能なのだ。そして、その製作の容易性とは別に、この権利を守る仕組みを作るのが一番大事なのだ。特許で抑える事が出来るようなモノでもない。では、どうするか?
実は手掛けている製品は一般消費者向けの製品ではないのだ。試しに使ってみよう!的なジャンルに属さないのである。ユーザーは非常に厳しい目で見て、そして、そのユーザーを通して市場に入るには非常に長い検証の目に晒されるのだ。検証の目には、技術の出所、開発者の経歴、、、、ありとあらゆる部分が晒されるのである。その目に適う事は並大抵では無いのだ。
言ってみれば、その評価に適ってこそ受け容れられるものであり、逆に言えば、全くの第三者が模倣で参入しようとしても相手にされないのである。
そんな技術ならユーザーに逆に占有されないか?という危惧と質問に対しては、技術をオープンアーキテクチャー的に公開することで対応しているのだ。つまり、開発した知識を同時に採用を望んでいる複数のユーザーに提供するのである。そうすることで、逆に一社のみが占有に走らないように楔を打っているのである。まぁ、個人の考えた技術の熟成度を上げるために、同時に複数のユーザーの目に晒された方が成熟のスピードが早いというのも狙っているのだが、、、そうやって、ユーザーと新しい技術を育てていこうとういうスタイルを貫く事で信頼を得るというのが最大の目的である。
つまり、自分が権利を守るために抑えるべきは、第三世代に到る経緯であり、エンドユーザーからの信用なのだ。それこそが、アイデアを守る最大の武器。この武器を手に入れる事こそが最重要なのだ。武器を手に入れるということを具体的に言えば、これが評価を受けて実績を得るということ。評価を得て実績を作りエンドユーザーからの信用を獲得する時、、、それが、相談者が何時も聞いてくる、自分が活動を開始するタイミングなのである。
まぁ、基本は自分で発想したアイデアが市場で通用するのを見届けるというのが一番。
それ故に、それを早めるのに勤務先を含めて、誰であっても、そういう方向に舵を取るのであれば、当然、それを拒む理由は無い。大事なのは、誰もやった事がない事を実現させたいというだけである。
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