水曜日、大阪のKボタさんから研究部のスタッフ、広島のMカサさんから技術のスタッフ、合計で7名が来広された。
来広の目的は、自身が趣味で開発している無注水軸受システムの技術について知りたいとの話。
このシステムは、第一世代システムから相当の変革を遂げており、最新モデルは初期モデルとは大きく異なる構成であり、性能も飛躍的に向上している。
完全ドライランが可能で、尚かつ、耐摩耗性も非常に優れるというのがセールスポイントであり、第一世代、第二世代システムで弱点であった耐摩耗性を大幅に改善しているのがウリなのだ。
そのシステムの開発のコンセプト、指針、それから用いた論理を説明し、そのストーリーと実際に生み出したモノの紹介、それから各種の計測データと技術説明を行うというもの。
基本はアドリブで、聞き手の表情から聞きたい事を感じ取りながら講義を進めるというスタイルだ。
で、当初は2時間程度か?と思っていたのだが、アッという間に四時間弱のレッスンとなったのだが、その四時間は自分にとっても大変満足度の高い時間であった。
というのは、聞き手の聞きたい情報を読みとりながら、こっちから情報を提供する。そして、提供した情報の理解度を読みながら話を展開していくのだが、話の展開を生み出す相手の理解度が、殆ど完全に予想通り。そして聞き手の質問も、こちらが想定していたストーリーに従った質疑が返るというパターン。
つまり、話し手と聞き手の意志が疎通した状態で、所謂、技術レベルが共鳴したときに感じる状態を感じたのである。
こういうレベルが同等の時に感じる共鳴感というのは、久々に感じるモノ。
過去に、D業社さん、T見製作所さん、H立製作所さんのエンジニアの来広の際にも感じた感覚だけど、今回のKボタさんの技術リーダーさんは、議論の共鳴度は一二を争うレベル。
このように技術的な知識、論理の展開の方向性が近い人というのは、自分の所属するSンコーでは感じられない感覚である。
まぁ、同じポンプメーカーでも、ずっと相手にしている会社というのは、従業員で1000~30000人規模、資本金でも10億~100億円レベルで、売り上げは兆レベルの企業だ。町工場で500人、一億、研究所無しの組織と比べる事自体がナンセンスなんだが、世界が違う事が良く判る。
今の組織で共鳴感を感じる事はないけど、年に数回来社される各企業の研究部の方々との技術交流会では、こういう共鳴感を感じる事が結構多い。
まぁ、そういう世界の人から技術供与を申しこまれ、技術指導を請われるというのは非常に光栄だし、そういう方々に講義をするというのも実に楽しい。勿論、講義の楽しさというのは、こちらの伝えたい事がしっかりと伝わる共鳴に満足しているのだが、、、、
今回思ったのは、自身は、技術開発よりも伝えたい事を相手に伝えて、伝わった感を感じる事が一番の喜びとしているのかもしれない。
つまり、塾の講師のような世界こそが天職なのかもしれない。
マジで、転職しようかなぁ、、、
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