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ライフワークとして取り組んできた先行待機ポンプ向け完全無注水軸受、一応完成しました。基本は2グレードで、コスト重視モデルと耐摩耗性重視モデルの二本立て。
コスト重視モデルは、ローコストの金属製ジャケットベアリングに、連泡性材料ベースの複合材料スリーブから構成されている。摺動面硬度は最高でHv=1100というモノ。ドライ摺動時間は無限に可能だが、厳しいスラリー環境では当然、摩耗のリスクを有する。
但し、メリットとしては絶対的にローコストで提供可能なもの。
耐摩耗性重視のモデルは、表面硬化処理(Hv=1600以上)のジャケットベアリングに、積層材料ベースの複合材料スリーブから構成されており、軸側摺動面硬度は最高でHv=2400というモノ。ドライ摺動時間は上述のモデル以上に可能。摺動摩擦係数も上述の-20%で、摺動面安定性も非常に高く摺動トルクの変動率は大幅に抑制している。そのために、複合材を摺動面に用いたシステムの自励振動(スリップスティック振動)リスクを解消しているのが特徴。勿論、超高硬度摺動面による優れた耐摩耗性も提供している。
但し、相応の工数を必要とするために上述モデルよりは高価(東京都等で使用実績のある第一世代のセラミック軸受+LPCBCよりは安価)。
世の中には、完全ドライ摺動+耐摩耗性を満たした摺動システムは存在せず、持論としてはポンプメーカー等に望まれている技術と考えている。実際、数多くの大手陸上ポンプメーカー、特殊ポンプメーカーから引き合いを頂いたり、共同研究が進んでいる。しかし、残念ながら舶用の油ポンプメーカーでは、この技術は不要とのことで、この企業から最終製品を市場に提供する事が出来ないそうだ。残念ながらドライラン+耐摩耗性の摺動システムというのは、油をハンドリングするポンプメーカーでは、油前提故に、ドライ摺動は関心が無いということで、あまり重宝されないのである。
ということで、自身だけで開発した無注水摺動可能、つまりドライラン可能なジャーナル軸受だけど、これを最終製品に組み込んでエンドユーザーの声を開発にフィードバックさせたいという気持ちになってきた。今は、軸受システムの開発迄に活動は留まっており、開発した軸受は、陸上ポンプメーカーに提供することで市場投入されている。つまり、開発しても現場とは切り離されているのが問題。
ということで、個人的には、薬液、スラリーをメインとして扱う特殊ポンプメーカーに技術の売り込みを行ってみようと思う。
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