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2014年3月24日 (月)

吸収置換可能な人工骨

3Dプリンターの医療技術への利用で、これは凄い!と思った利用方法。
それは、3Dプリンターによる人工骨の作成。骨の欠落部分を3Dプリンターで印刷するという。
骨の欠落に対して従来の医療では、欠損部分を補うために移植手術を行う。移植骨としては、自分の骨を使う「自家骨移植」、他者の骨を使う「他家骨移植」、そして人工物で補う「人工骨移植」が考えられるが、最も有効なのは、自家骨移植である。本来、自分の骨であるために、体へのに馴染み(= 生体適合性)、移植後の元の骨へと同化性(= 吸収置換性)を有しているからだ。
問題は、自家骨では必ずしも必要なサイズ、形状を得る事が出来ないのが問題。これは自然な骨の移植での大きな課題である。一方で人工骨では、成分が同じでも、焼成作成しているので、術後に元の骨と同化しないために、永遠に人工物として残る。これは、成長期の子どもを含め、身体の変化には適さない。重要なのは、適合性に加え、吸収置換性なのである。
このような要望で注目を浴びているのが3Dプリンターによる人工骨の作成だ。これは、従来人工骨と同じリン酸カルシウムを原料としながらも焼成固化していないため、自家骨や他家骨のような吸収置換性を有している。更に、高精度で手術前にあらかじめ整形し準備しておけるのが最大のメリット。積層時におけるリン酸カルシウム粉末の固定には硬化剤を用いるが、問題は強度が出ない事。つまり、荷重が掛かる領域には使えないが、そうでなければ、リン酸カルシウム粉末が生体内で吸収置換によって同化するのがメリットという。
この技術の鍵は、やはり硬化剤だろう。一定の強度、吸収置換の速度、硬化剤自体の生体との調和度だが、これが解決されると医療技術に大きな革新がもたらされるという。
なかなか楽しみな技術である。

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