中小同族独善企業で開発?
先日、御曹司が怪しい経営コンサルの知恵を借りて業務調査にやってきた。
まぁ、言わんとしている事は判るが、、、、、研究開発の必要性を説かれても、そうだねぇ、、、としか言えない。
自身は研究開発というよりも、以前のプロジェクトで出荷した製品を未だに使うユーザーに対して交換部品の供給責任を果たすというのと、自身がフェードアウトした際に特殊すぎる技術による製品の供給が途切れるのを防ぐために、より高性能な製品を汎用的な技術で提供できるように代替製品の開発を行っているだけであり、普通でいう研究開発を行っている訳では無いからだ。限定的な代替品の開発なのである。それであっても協力者が必要であり、社外の優秀な方々の協力を得ながら行っているだけなのだ。
社外に協力者を求める理由は、社内に求めても得られるモノが無いからである。
というのも、社内の研究開発というのは、超高齢の一部の人間の独断+超若手一名という体制で、過去全てが失敗に終わっており、起案から実践に到るまで組織で対応するという風土が皆無なのである。
そういう現状において、自分に一般的な企画とか開発を言われても、風土的に成り立たない組織では絵に描いた餅に過ぎないのだ。組織を変えようが、箱モノを準備しようが、、、、殆ど無意味なのである。仮に、その形で行ったとしても、それは個人の能力依存で終わるのが関の山だろう。過去に自身が携わった特殊案件は全てが前例の無い業務であり、個人の発想で個人で行ってきたモノ、、、、組織で取り組んだ事がないのが現実。結局、二の舞になるように思う。
個人の特異な活動に否定的な風土で、個人が活動を貫くには、相当の覚悟が必要だが、組織として後に続くモノに同じ環境で戦えという事が出来ない。組織として体制を作りたいならば、少なくとも突出した個を否定するような体制や評価を奪い合うような体制を刷新して消し去らないと無理だし、個人が覚悟を決めて勝負に挑む気持ちを持たせる環境も必要。更に、独創能力のある人材を揃えるのも大事。その全てが欠けている状況では組織的に企画とか開発というのは無理でしょう。
長い歴史の中で、そういう体制で組織が作られていると、組織を変える事を嫌な勢力の方が多いのが現実だ。そういう願望を望むならば、、、やはり、人材の入れ替わりを待つ事。そして、その間に、人材を揃え、既存の人材がそういう気持ちを持てるような体制を少しずつ作る事が大事だ。
御曹司に対する助言としては、10年の間に少しずつそういう仕組みを作っていくのが大事では?という解答だ。今すぐに、、、それは無理だろう。形や組織を作ったとしても、誰が、その形で既存の価値観に抵抗して活動してくれるのか?という話だ。活動してくれる人が居たとしても、それを実践するスタッフに独創力があるか?というと、それも厳しいと言わざるを得ない。
やはり、人材を揃え、その人材のモチベーションを失わせない上司を揃え、物事にチームとして取り組んで、同じ目線、当事者意識で物事に取り組む仕組み、、、能力、価値観、個人、、、そういうのが大事。
そして、そういう形を長く見守る経営者の理解が必要なのだ。そもそも、開発なんて、千三つというモノ。1000件のトライで成功は3件、、、0.3%程度のモノだ。それを支える体力のある企業でなければ開発なんて事を簡単に口に出す資格は無いだろう。
まぁ、体力というより企業の理念だ。資金力の有無でなく、ホントに優れたモノで利益を得る、、、そのために絶対的、真理的に競争力を得るのを優先するという理念がなければ、宝探しに近いような研究開発、企画を尊重するという仕組みは生まれない。
まぁ、経営コンサルもアホだから、気安く研究とか開発とか企画が必要!といっているが、そういう行為に何が必要な資質か?が判って居るとも思えない。まぁ、素人集団の経営コンサルの意見なんて、、、、正直、クソだろう。
話を戻すが、要は形だけ整えても開発、企画なんて出来はしない。
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コメント
まぁ、未だ若いですからね、、、熱い気持ちをずっと持ち続ければ、良いのかもしれませんが、、、歳が違いすぎますので、彼が実権を握るような時には、多分私は居ないでしょう。
投稿: 壱源 | 2014年3月16日 (日) 00時22分
コンサルの方がモノづくりについてよく理解されていない印象を受けました。
何か相談相手をおっと思わせる事を言わないといけないのか、言いたいのか。
研究開発を社内に浸透させる為に何をどう変えるか、また準備やデメリットなどをしっかり説明できてこそのコンサルだと思いますが。
御曹司さんが貴殿の助言を本当によく理解されるといいですね。
投稿: マルキュー | 2014年3月15日 (土) 18時01分