スポルティーフ考
伝統、格式に拘ったマニアックな考え方は別として、スポルティーフと呼ばれていた自転車は、休日のサイクリング用途使いに非常に道理にあった構成である。
現実、趣味のサイクリングで自転車を使うとなると、走る場所は整備された舗装路、休日サイクリングで距離は?というと、100~200kmくらいだろうか?時間帯的には早朝~夜間、すると、当然、雨具、着替え、簡単な工具、予備部品を装備というのが一般的、そして、出先からは土産を買って帰るなんていうのが思い付く。
こういう用途で一番適したのはどんな自転車というと、、、所謂、スポルティーフの装備が機能的に一番道理に適っている。
舗装路を走るとなると、太すぎるタイヤは不要で700Cで25~28幅で十分。装備の積載を考えると背負うよりもキャリアに積載という方が合理的、夜間、降雨を考えると被視認性だけでなく視認性の高い灯火装備、降雨による飛沫は想像以上に不快でありフルフェンダーが必須、、、、勿論、長距離を走行するとなるとポジションの自由度の高いドロップハンドルという事になろうか?
これに当て嵌まる自転車は?というと、マニア的に定義したパーツ構成は無視した上で、機能的にはスポルティーフが一番適している。これは、自身が中学生の頃からの考えで、当時もそういう自転車が一番合理的だと考えていた。これは今も変わらない。
ランドナーとかMTBのような自転車は必要以上にヘビーデューティだし、ロードバイクは装備が実質不可能だ。勿論、連泊ツーリングやキャンプならランドナー等を選ぶ。生活習慣で健康維持のための自転車運動やサンデーレースへの参加では装備は気にせずロードバイクが選択肢となるのは当然だが、、、
で、今の時代に、休日サイクリング用実用自転車というと、所謂、スポルティーフというのが一つの雛型になる。スポルティーフというとフランス部品、例えば、ユーレーとかTA、マファック、ソービッツ、シビエで組まなければ邪道とも思わない。カンパでもストロングライトでも何でもOKである。ならば、DURAで600でも良いし、今のSORAとかTIAGRAでも構わない。何でも良いだろう。所謂、レーシングコンポを使ったらアウトだとか、現代の廉価コンポを使ったらアウトとも思わない。当然、TAとかユーレーとか、カッコイイとは思うけど、だからといってそれ以外を否定する考えも当然無いのである。
寧ろ、エントリーユーザー向けに現代リリースされている汎用普及品の方が耐久性、性能的に優れているとも思える訳で、実用使いなら、骨董品ではなく敢えて現代の高い信頼性を持つパーツを積極的に使うのはアリだと思う。
どんな部品を何処に使うか?というのは、ユーザーが使用形態を想定してチョイスすれば良いのでは?というのが自分の考え方だ。
事実、それっぽい自転車はリーズナブルな価格で提供されており、それらは非常によく考えられていると思う。アサヒのラトゥールなんて結構良く出来ていると思う。
但し、趣味性を何処に何処まで入れられるか?というと、もう少し拘りを入れたいという思いがあるのも事実だったりする。その納得出来る境界というのは、人それぞれだろう。
自分の場合は、取り敢えず、理想の自転車像が当時のスポルティーフに一致していたという経緯があり、その象徴的な車種が、ダイヤモンド、ユーラシアのスポルティーフだったので、当時の構成に極力近付けたいというのが譲れないポイント。当時のスポルティーフという車名のモデルがM/C毎にどう変化したか?というと、センタープル直付け化がトレンドで、それに憧れた経緯があるので、別にサイドプルとかカンチを否定する訳ではないが、自分が使うのであれば、センタープル直付けに拘りたいというところだ。
逆に、当時の段階でボスフリーよりも初代カセットハブのDURA-ACE EXなんかも積極的に使っていたので、駆動系は迷うことなく現代の構成を受け容れるし、ビンテージには間違っても見えないキャップレスデザインも拘るべき優先順位としては高くないのである。まぁ、拘りを高い状態で作るとなると、TA系のクランクデザインを選ぶけど、、、実利優先でプラクティカルなスポルティーフならクランクデザインに拘りは及ばない。この辺は、人それぞれだろう。
今の時点で、自分なりに回顧回想に拘った東叡のスタンダードスポルティーフと、実利的な信頼性を優先したユーラシアスポルティーフの二本立てというのは結構満足高いラインナップである。
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