収益形態
製造業でも、いろんなビジネスモデルがある。市場において価格競争ではなく、別の価値観で優位性に立ち、それを価格に反映させ製品販売による収益率を高めるという正攻法。優位性に立つ価値観というのは、性能であったり、信頼性であったり、寿命だったりする。同じ性能を、より軽量コンパクトで!とか、圧倒的な燃費効率、エネルギー効率を持つとか、或いは、10年10万キロ保証とか、、、そんな風にして、製品価格の下落を抑え収益を確保する、、、、
個人的には、製造業というのは、世の中に出回る同類の商品の中で、優位性を競い淘汰から生き残る製品を進化させ続けるというのが正攻法だと考えている。
しかし、このようなビジネスモデルとは全く異なるビジネスモデルもある。
製造製品の性能、信頼性といった、そのものの価値は程々に、市場席巻のための競争力を価格競争力と定め、それに力点を置いて市場を席巻するという考え方。受注競争においては、赤字を厭わない価格戦略で市場への他社の介入を許さない。そして、市場を席巻した後に、その製品の保守に関わる補修部品販売で赤字を回収を見込んだ値付けによる部品販売。特に、補修部品を外部調達する場合は、考えられない掛け率だったりするビジネスモデル。
正直、このようなビジネスモデルは、製造業としてアリか?というと、飯の種を得るという方法論の一つとしてはアリだが、製造業の本来の姿、つまり、新たに生み出した価値で対価を得る。価値を生み続ける事で、社会や文化、科学を進歩させる一員として社会の役を担うという意味からは、外れているような気がして為らない。
製造業というのは、新しい価値を提案して、その世界の技術を業界で切磋琢磨して高めるというのが本来だと考えているのだが、肉を切って骨を立つ的に、同業社の介入を許さず市場を独占し続けて、その業界の技術を革新させないというのは、業界の技術の停滞の原因となっているという責任は免れない。
レベルではなく、新しい付加価値を対価に昇華するような考え方が必要だろう。
| 固定リンク
コメント