次のリスク
広島の扇状地での山津波、、、昔の地名は、『八木蛇落地悪谷』だったそうだ。まぁ、扇状地自体は、流出土砂の堆積で形成された緩勾配地。扇状地を形成する山は礫や砂を運び出すエネルギーを水に与えるために、相応の標高を持つ事が多い。それ故に、先人は危険を承知していたそうだ。そんな言い伝え、地名も昔はあったそうだ。今回の事故は津波の際の、これより下に家を建てるな!という石碑に通ずるような話でもある。
広島では太田川西岸には標高の高い山が立ち並び、その山には豊後水道から湿った空気が流れ込んで、丁度雲を作って雨が降りやすい地域だが、この近辺の地域には、別のリスクが潜んでいるが、行政の政策からか知らない人が多いのだ。
先ずは、この西部丘陵地域~山稜地域は己斐断層を始めとする活断層が非常に多いのである。そして、近年は、市内のベットタウンでこの丘陵地域に大規模ベッドタウンが一気に造成されているのだ。これらのニュータウンでは、比較的リーズナブルに家が建つということで人気だけど、地の人がどれだけ移り住むか?というと、案外少ないような気もする。
この造成されたベッドタウンで有名なのが毘沙門台、西風新都、春日野といった地域である。この西風新都、毘沙門台、春日野に拡がるニュータウン、、、実は、山稜地域の谷を尾根で削った土で埋めて台地化した地域で、この様な造成地を『谷埋め盛り土』という。実際、この語句でググれば非常に沢山のリスクが内包されていることが判る。このようなニュータウンは広島なら、東部の中山~東浄界隈にも見られる。この確認は、このサイトを利用すれば一目瞭然だ。
http://ktgis.net/kjmapw/index.html
このような谷埋め盛り土では、地山と盛り土部の界面に地下水が流れ、ちょっとした揺れで大規模崩落が起きたりするのである。このような再開発は太田川東岸側の中山地域のニュータウンでも同様であり、土石流リスクのある沢を埋めた構造であり背後には標高で200~300m級の山が控えており、結構ドキドキなのだ。
こんな東部地域の団地よりもドキドキなのが、やはり、西部地域の大規模新興団地かもしれない。昔の地図を見ると、沢から埋めた土の厚みは50m以上、、、有り得ない。こちらは、元々雨が多い上に、己斐断層という地震の巣となるような活断層に貫かれた地域である。造成前のあの地域は地下水が豊富で非常に軟弱だったのも事実。この界隈はため池的な貯水池が散在し、それに山からの水路が接続されており、その水路自体が昔の地形から人為的に大きく変えられているのがよく判る。仮に五日市断層帯で断層地震が発生すれば、地下水が豊富で軟弱な地山の上の谷埋め盛り土の団地は何が起こるか想像できないのが現実だったりする。
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コメント
こんばんは!
ホンマですね、、、春日野、結構リスキーな感じがします。
でも、区画の広さの割りに格安で人気が高いのも事実ですよね。
しかし、予兆が出ているなら、、、やばそうですね。
投稿: 壱源 | 2014年8月29日 (金) 22時27分
春日野の下に住む者としては此度の豪雨。かなりドキドキものでした。
実際、春日野の下には地下水が多いので、団地を作る際、地下水路や貯水池で、水を逃がす工夫をしてるみたいですが、水の抜けやす西側はともかく、溜まりやす東側はかなり怪しいですね(既に予兆が出てます)
地の人間は昔の経験から「春日野は危ない」と言って住みませんからね~
投稿: いちけん | 2014年8月29日 (金) 22時10分