« セットバックシートポスト製作方法検討中 | トップページ | Replica »

2014年9月28日 (日)

クランク長

クランク長のベストは?
一般的には、身長の1/10とか言われているけど、これって根拠があるとは言い難い。
クランク長を考える時大事なのは、回すのに必要な力が適切か?という点と、回した時、軌跡の位置が腰に負担を与えないか?という点だろう。
クランクで何するか?というと、チェーンを介して駆動力を伝える。動力伝達中はチェーンの張力と釣り合っている。チェーンの張力×チェーンリングの半径=ペダルを踏む力×クランク長のような状態だろう。最終的にはチェーンの張力×スプロケ半径=タイヤ半径×駆動力となる訳だ。基本的に、クランク長が長い程、チェーンには大きな力を伝達する事が出来るが、クランク長が長い程、回転が上げにくくなる。

但し、自転車の場合、単純でないのは、クランクに踏む力が伝えられる瞬間というのは、それ程長くないのである。大元は脚の往復運動であり、脚が最大の力が発揮出来る関節角度は一瞬であり、クランクが長い程、実効的な力が大きな状態を保つ事が出来るクランクの作用角は狭くなる。逆に、ショートクランクであれば、実効的な力が大きな状態を保つ事が可能なクランク作用角が広いのである。動力を伝えるタイミングにも依るけど、垂直方向で100mm程動力を伝えるとすれば、例えば、クランク長が170mmから152mmとなれば、チェーンを引く力は11%減るが、作用角は12%増える。170mmが138mmとなるとすれば、チェーンを引く力は19%減るが、作用角は24%増えるのである。クランク長が短くなると、チェーンを引く力は、減るけど伝達角度は大幅に増えて結果的には伝達出力は若干大きくなる。

こう考えると、クランク長を短くすることによって、伝達力は低下するが、出力は向上し、更に、回転によるトルク変動が減るということが判る。
クランク長を短くして、駆動力が減っても出力が向上し、トルク変動が小さくなるというのは、実は、安定した出力維持が可能になるということを示しているのだ。

余談だけど、もしかしたら、コンパクトクランクというのは通常クランクよりローギヤード、これって、クランク長をショートにしてケイデンスを下げて動力伝達の作用角をワイドにするのが正しい使い方かも、、、とも考えられる。

余談はさておき、この考え方は、特にクランクフォワードタイプの自転車のペダリングには非常に有効な考え方である。サドルを挟むのでなく、サドルに座る姿勢が基本の場合、大腿の大きな動きを最小限度に抑えながら高い出力を維持するという考えに従えば、クランクフォワードタイプの自転車にショートクランクを利用するというのが一つの考え方として成立する。トルク変動を抑え、大き目の力でしっかり漕ぐという感覚を感じるためには、シート角で60°辺り、クランク長で135mm辺りだと違いが顕著かもしれない。

さらに、ショートクランクで大き目の力でダイレクトに漕ぐ場合、大腿~ペダルスピンドル間はダイレクトな接続が望ましく、足首とペダルスピンドル間の距離は短ければ短い程理想的であり、究極的には踵で蹴りだすのが理想だろう。現実的には、踵で蹴る構造のペダルは存在しないので、土踏まずの踵よりで踏むのが理想。そうなると、クランク長は短くなければならない。足首の稼働による足首~ペダルスピンドルの上下動を測定すると20~30mmはあるので、クランク長は140~150mmが理想。そして、その分はハンガー~サドル迄の距離も短縮する必要がある。

クランクフォワード、シートアングル60°、クランク長150mm、、、こういう設定が試す価値がありそうだ。

|

« セットバックシートポスト製作方法検討中 | トップページ | Replica »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クランク長:

« セットバックシートポスト製作方法検討中 | トップページ | Replica »