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2014年9月27日 (土)

人工甘味料の懸念

 ダイエットのため、甘さをキープしてカロリーを抑えたモノとして、低カロリー甘味料が登場して久しいが、昔から安全性の議論が少なくない。そんな甘味料といえば、人工甘味料と天然甘味料の二種類がある。人工甘味料といえば、サッカリン、チクロ、ズルチン、アスパルテーム、キシリトール等が有名。天然甘味料では、ステビアをはじめ、トレハロース、羅漢果、エリスリトール等が有名だが、今回の話は、人工甘味料について。
 人工甘味料といえば、昔から発ガン性が指摘されたりと、色々だけど、興味深い報告がイスラエルの研究者から報告されたそうだ。それは、ダイエット用炭酸飲料やヨーグルト等、その他の食品に入っている人工甘味料が血糖値を押し上げることもあるそうだ。これは、マウスと人間による実験で確認したとのこと。

 報告によると、サッカリンやスクラロース、アスパルテームといった人工甘味料は腸内細菌の種類や数を増減させて、糖尿病のリスクファクターである血糖値を高める原因になる場合があるそうだ。この論文はイスラエルの医師によって英科学誌ネイチャーに掲載された。因みに、人工甘味料については、このようにリスクを唱える人もいれば、糖尿病等の治療には必須という人もおり、どっちが正しいか?というのは、実は評価が決まった状態にないのも事実だ。

 今回の研究では、甘味料が直接血糖値云々への話ではなく、血糖値に影響する腸内細菌の増減に影響を及ぼすという点に着目した点が従来の研究と異なるが、このようなアプローチによって未知の問題が今後解明されるかもしれない。
 今回の実験では、人工甘味料摂取で生まれた腸内環境の腸内細菌を、人工甘味料未摂取のマウスに移植すると血糖値が上昇したという事を明らかにしているが、この人工甘味料摂取有無による腸内環境の差が、マウスのみならず人でも確認されたということが興味深い事実である。この研究では更に、甘味料とグルコース(ブドウ糖)不耐性になりやすいこととの間に相関関係があることも分かったそうだ。

 この報告に対して、実験規模の少なさを指摘する声もすくなくないようだが、少なくとも、人工甘味料の摂取後に変化したいくつかの種類の細菌が2型糖尿病に関係していることは明らかになったとのこと。つまり、被験者の中には、人工甘味料は、グルコース不耐性など肥満に関係したある種の代謝の条件を減らすのではなく、むしろ増やす形で腸内細菌の構成を変えることがありうるということ。

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