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2014年10月17日 (金)

クランクフォワード度

クランク位置を相対的に前出しした自転車。結構多いようだ。
そして、前出し度合は様々。ランスのクランクフォワードサイクルではシート角は40°程度迄寝ている。himajime自転車さんの軽快車改造キットではシート角で60°程のようだ。
この手合いの伝統的な自転車ではGAZELLEの65°となっている。
基本、シート角が寝る程、骨盤が直立から後傾に移行し、状態も後よりに変化する訳だ。それに応じて前後重量バランスが後よりになる。何が正解か?を不明と言ったら元も子もないので、長距離走行の自転車として考えた時の最適解を定義してみる事にした。
自転車での長距離走行、何が問題か?というと、そう、尻やら腰が痛くなるのである。まぁ、自転車に限らず、単車、車でもだ。骨盤が後傾する程に脚を前方に投げ出すポジションでは背もたれ、シートバックが必須であり、自転車ではその形態がリカンベントだろう。クランクフォワードポジションでは、基本、背もたれ無しである。背もたれ無しで、脚が前方となると、体重はサドルとハンドルで支えるのだけど、身体の重心がサドルセンターより後方に位置するとハンドルで体重は支えられない。全てサドルで受ける事となる。

この身体の重心位置がサドルセンターの前後のどちらに行くか?というのは、クランクフォワードの度合次第である。椅子に座って前方に手を付く姿勢の際の足の位置を計測して作図して、その際のシート角に相当する角度を算出すると、60~65°のようだ。
この角度のシート角であれば、ハンドルで体重の一部を支える事が出来る。イメージとしては机で肘を付く姿勢だ。実際、椅子から立ち上がる時の姿勢を見直すと、腹筋に力の入りやすい心持ち前に傾いた体勢の方が脚の力は大きくなる。実際、ボートのオール漕ぎや、レッグプレスマシンでは脚は前方だけど、上体は寝そべりでは無いのだ。背中を少し丸めた前に傾き気味の上体姿勢がデフォルトであり、これを狙うのである。

このように、長距離走におけるサドル荷重の軽減効果と、腹筋等体幹の力を大きく使う姿勢という面を考えると、一言でクランクフォワードといっても、リカンベントやセミリカンベント、ランスのモデルのような45°級のシートアングルよりは立てる事が重要そうである。
オランダというと自転車の歴史ある国。そこのGAZELLEブランドが65°のシートアングルに拘っているのは、案外、こういう理屈の結果かもしれない。我が西DAHONは、クランクフォワードの一種だけど、完全仰向け、寝そべり系を理想としたものではなく、荷重分散+駆動力MAXを狙う60~65°の体幹出力を最大限利用することを目的としたものである。

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