クランクフォワードバイクインプレ
我が家の実験車、西DAHONを従来とは真逆のクランクフォワードデザインに組み直してみた。DAHONは、シートポストの伸縮長、ハンドルポストの伸縮長が非常に幅広く、アップライトにも前傾にも自在に変更可能である。上手い具合にサドルポジションの前後移動幅を確保出来れば、どんな乗り方の自転車にも変形可能だ。
今回は、クランクフォワードポジションを得るために、サドルを下げて後退させてハンドルを持ち上げるというポジションを作ってみた。
で、実際に乗っての感想。
まず跨っての第一印象は、サドルを通常のスポーツサイクルに較べて5cmダウンで、楽勝で地面に足が着く。そして、その状態から手を先に延ばしたところがグリップポジション。ハンドルには荷重は殆ど掛からないので、サドル荷重である。
目線は前方で下を見るのが難しいくらいで、視界は非常に広くなる。
最初の漕ぎ出し一発目。
土踏まずから踵で蹴り出すような漕ぎ出し。重めのギアでも軽くスタート出来るのが印象的だが、超後荷重故に、前輪の安定性は極低速では今一かもしれない。動き始めてからは前荷重の無さを実感することは無い。後荷重が増えたせいか、後輪ブレーキがロックさせないで効きやすくなったのは新たな発見である。ポジション的には、高ケイデンスでは漕げない。ゆったり重めのギアを軽く踏むという印象。クランク長で135mm仕様(50-34T)と170mm仕様(52-38T)を比較したが、印象的には170mm仕様の方が漕ぎやすい印象。
当初は135mmで広い作用角重視を想定していたけど、170mmの方が作用角は小さくても実質的な作用周長が長い分、トルクが掛かりやすい印象。登坂では軽めのギアで速度が落ちるショートクランクよりも、すこし重めのギアで速度が落ちにくい状態でもロングクランクで踏む力が軽く維持出来る状態の方が車体の安定が確保しやすい分、踏みやすい印象。
当初は135mmクランクでシェイクダウンしたけど、現状は170mmクランクを装着している。
実際に団地外に出て走り回ってみると、何よりも視界が広くなったのが新鮮。それと足つき性が高まったのは停止頻度の高い場面でもメリットは大きい。第一印象時ほどのスタート時のフラツキは気にならなくなってきた。なお、後荷重化に併せてサドルをロードサドルからコンフォート系サドルに交換したけど、思いの外、尻への負担は少ない。サドルが良いのか、或いは、別の理由があるのか、、、、それは今時点では思い付かない。
このバイク特有だろうけど、レイバックポストによるクランクフォワード構造故に、ポスト自体が或る程度しなっているようで、乗り心地の改善が影響しているのかもしれない。
個人的な印象だけど、DAHONのようなモデルは、ロード用コンポで前傾度の高いポジションでカスタムするよりも、このような真逆のアップライトポジションでクランクフォワードさせて乗る方が寧ろDAHON自体の生い立ちに沿ったカスタムのような印象である。
DAHONの正規ラインナップを見ると年々、スポーツ色が高まっているけど、DAHONの王道的なモデルというと、実はSPEED TRのような速度志向ではないモデルとか、ROUTE、METROのようなオーソドックスなモデルこそが正常進化の形態のように思える。
今回のクランクフォワードデザイン、、、我が家の自転車では初の試み。そして他の改造小径車とのキャラ分けから考えても良い選択だったように思う。
ロードコースのような場面で周回ラップ計測するような使い方では、どう考えてもオ・モイヨWW号の方が適しているし乗りやすいし、実際、速い。ベース車はレ・マイヨWだけど、構成上、アップライトポジションを作るのは困難な構成であり、カスタムするならロードバイク風味しか選択できないのである。
中距離ライド迄を考えたサイクリング用途では、DAHONよりもルイガノMVF改の方が乗り心地も優れているし、ポジションも楽。折り畳み想定で無い分、ドロップハンドルを普通に使えるメリットは小さくない。ハンドルハイト的には、レ・マイヨWより上、しかしDAHONより下の位置が正規位置であり、ハンドルハイトの適正高から考えるとランドナー的なキャラが正解だろう。
今回の西DAHONは、コレまでのスピママ号とかビーンズハウス改のようなチョイ乗り仕様とはチョット違うけど、アップライトポジションを基本とした作り方。何キロ迄楽に走れるか?は不明だけど、DAHON系小径車はアップライトポジション基本で作る、、、こうすれば、他の小径車と棲み分けも出来るので、個人的には今回の改造は正解だったと思う。
| 固定リンク
コメント