公道最適のVツイン
最近はパラツインでもVツインと同じ爆発間隔を得られる270°クランクのモデルがある。古くはTRX、TDM、今ならMT-07がそうだ。
しかし、間隔が同じだけで車体構成は大きく異なるので、全く同じ乗り味という訳ではない。
で、Vツインでパワフルというと、650cc以上。そして、多くはリッターVツインを選びがち。で、国産リッターVツインを羅列すると、、、ホンダではVTR1000F/SP1/SP2、スズキではTL1000S/R、SV1000/Sの二系統に絞られる。
この中で過激というと、VTR1000SP1、TL1000Sといったところ。そして、ベーシックというとVTR1000F、SV1000/Sだろう。
これらのモデルで共通するのは、発熱量が膨大で、60km/h以下のツーリング、市街地走行では熱気が強烈で膝の熱さは尋常ではないのが特徴。何れも比較的高回転型故に、市中では2速以下での走行となり回転数が高めで熱が籠もりやすいのが特徴。友人のラプター1000(TLのエンジン+ネイキッド)も街中での熱さはハンパ無い状況だった。リッタークラスは日常の下駄としての利用頻度が多いと、結構厳しいというのが実情。
こういう中で、案外お奨めなのはSV650。出力は国内、輸出向け共に70PS。リッタークラスの2/3の排気量故に、出力も輸出モデルのリッターVツインの2/3程度となっている。全てが2/3という形であるが、これが60km/h前後の使い勝手を大きく左右している。60km/hなら6速OKだし、30km/h平均の市街地、渋滞路でも4速OKで水温が上がる事もなく、ファンも回らない。全く熱くないのが大きな特徴。
活発な加速が味わえるのは、150km/h程度迄だが、それまでの速度域で不満は殆ど無い。寧ろ100km/h以下では3~5速のパワーバンドを駆使できるので、ギアの繋がりが非常に良好なのも特徴。
更に、初期型SVの特徴は軽量な車体165kgに加え、90年前後のレプリカモデルのようなしっかりした車体。以前乗ったSV1000よりも遙かに越える安心感がある。Vツインの場合、強力なエンブレで車体が振られるが、その収束が容易かつ素早く可能なのは大きなメリット。初期型SVはVツインというエンジンに加え、強靱すぎる車体も大きな魅力だったりする。
今時は殆どがインジェクションだけど、初期型SVはキャブ。インジェクションを否定はしないが、キャブ車のパーシャル域での微妙なコントロール性、アクセル全閉の際の車体の挙動の予測し易さは捨てがたいモノ。我が家のSVは、エキゾーストの交換+キャブのバクダンキット仕様だけど、非常に扱いやすい。
昔のミドルクラスでは400ccと500~600ccが姉妹車というのが多かったけど、何れも、上級基準で400ccがアンダーパワー感が強い構成だったけど、SVに関しては、400ccベースに強力なエンジンを搭載したような構成。SV400でも十分パワフルだけど、SV650は非常に強力なパワーフィールだ。
Vツインは高出力を狙いすぎると低回転域のギクシャク感が顕著だけど、抑え気味の出力+キャブ車、そして頑丈なフレームということでVTR1000Fは非常に気になる存在。サイドラジエターの転倒時における懸念は、フレームスライダーを装着することで回避可能できそうだし、、、
これから始めるならSV650がかなりお奨めだが、自分の場合、VTR1000Fがかなり気になる存在。ただ、SV650の軽さ、馬力、頑丈さの魅力は色褪せないので、乗り換えるという決断はなかなか出来ない。
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