シートアングルと脚軌跡
ショートクランクの是非を色々検討していて思った事。それは、シートアングルの角度が90°に近づく程、ペダルスピンドルの軌跡円の上下距離は、大腿の上下ストローク、つまり、股関節の稼働角度の影響を多く受けて、シートアングルの角度が小さくなる程、大腿の上下ストロークだけでなく、膝関節の稼働角度の影響を多く受けるということ。
そして、関節の稼働角度で膝関節、股関節を比較すると、圧倒的に『膝関節>股関節』である。
つまり、クランクフォワードのように極端にシート角が寝ている構成の場合は、クランク回転におけるペダルスピンドルの軌跡が大きくても脚が追随しやすくなるということ。これは、通常のクランクよりもロングクランクの方が好都合ということ。
逆に、シート角が立つ程に、通常よりもショートクランクの方が関節の稼働端における抵抗を抑える事が可能ということ。
そして、膝関節と股関節を比較すると、膝関節の方が華奢であり、膝関節の関節角度が変化しながら駆動力を伝える場合は、その駆動力を小さく抑える方がベターと言う事。
つまり、カセットスプロケットを駆動するチェーン張力(駆動力)を発生するために、ペダリング力を小さく抑えるのが正論であり、クランクフォワードデザインを取る程、クランク長は長めがベターということだ。そして、関節の稼働域において関節に無理を与えないように、シートアングルを慎重に決めるのが大事ということ。
今回、西DAHONで、BMXレイバックポストから、himajime自転車特性のシートポストでサドルセットバックを更に50mm増やして乗ってみると、明らかにロングクランクの方が走りやすい事が判った。試験したクランク長は135mm、152mm、165mm、170mmだけど、踵ペダリングで、漕ぎやすく、重いギアを軽く回せるのは、170mmということ。
今回、クランクフォワードデザインの自転車を試作して、クランク長の試行錯誤を行ったけど、結論としては、一部で言われているショートクランクよりもロングクランクの方が乗りやすいというのが自分の結論だ。
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