不惑が分かれ目
二十歳迄は、普通に生活していると、普通に健康な身体が完成される。この健康な身体は、二十歳以降、もっと言えば活動量の減る社会人生活を送る事で蝕まれていく。健康な状態が異常な状態に移行するには、血液検査の数値等で評価するが、蝕まれて異常状態を示すには、現代人の生活環境で、概ね15~20年が掛かる。つまり、35~40才で生活習慣の異常による兆候が見受けられ始めるのだ。
学生から社会人になる。そして育児、仕事中心の生活をすれば、35~40才で身体に異常の兆候が見える訳だ。育児、仕事中心の生活で突進できるのは、15~20年とも言えるのだ。
そして、兆候が現れた時点における選択が、壮年期以降の身体の状態を決める執行猶予期間として与えられる。身体の異常が発見された段階で、その身体を健全な状態に戻すかどうか?が壮年期、老後におけるコンディションに大きな違いを生むのだ。
35~40才時点において異常状態を示した身体を、二十歳時点のコンディションに戻せるかどうか?が鍵なのだ。そして、そのコンディションに戻すために要する時間というのは、異常状態が酷い程、多くの時間と労力を要するのである。異常状態が顕著でなければ、数ヶ月でコンディションを戻す事も可能だろうが、異常状態が酷く、更に、体型的にも大きく様変わりした状態であれば、下手すれば数年を要する場合もあるだろう。如何に早く気付き、コンディションを戻すか?、、、、これが鍵なのだ。
但し、どんな人間にも一日は24時間である。この24時間で健康を維持するには、最低限必要な睡眠時間、そして、コンディションを戻すための取り組みを行う時間が必要となる。しかし、当然、40才というと家庭も仕事も当然ある。全てを、それ以前と同じように行う事は不可能である。となると、何処を残して、何処を省くか?これが、大きな選択となるのである。ここで人生の価値観の選択の岐路に立つ事なる、、、そのように思う。
身体の異常兆候を戻すための運動習慣、生活習慣を生活に組み込むか否か?これが重要。これを組み込まず、以前までの生活を異常状態を黙認し突っ走ると、50才を過ぎて以降、異常兆候が、通常の努力だけでは改善不可能な疾病として襲いかかる、、、、それが、生活習慣病由来の終末形態の疾病であったり、中高年以降で多く取り上げられている様々な病や症状だったりするように思う。一般的なメタボリックシンドローム、ロコモティブシンドローム、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞、各部の癌、認知症、アルツハイマー症、、、、多くの病が壮年期以上で大きな問題として取り上げられているが、そういう症状に罹患するリスクが大幅に増大するのでは無いだろうか?
但し、価値観を変えて生活の中で、身体を二十歳の頃のコンディションに戻す生活を汲み入れるというのは、従来の価値観の中での両立は実質不可能であり、そういうリスクを回避して生活を変えるというのは、なかなか難しいように思う。
自身は40才直前の段階で価値観を完全に変えて生活をしているが、周りを見渡すと、そういう価値観で生活を構成している人は、百人に1人も居ないように見える。実際、自身の前後±10才の幅で人の健康状態、生活習慣を見ると、一人か二人しかいないようだ。
但し、どちらのチョイスが人間として幸せか?は判らない。選ぶ価値観次第だろう。異常兆候が現れるまで突っ走ってきた価値観が正しいと思う人も居れば、健康で元気な老後を迎える身体を作る価値観が正しいと思う人も居る。正に、人次第である。
理想は、自分の身体を整える時間を確保しつつ、それ以外の家事、育児、仕事もしっかり行うと言う事。その為には、、、少なくとも身体の異常状態が現れ始める不惑の頃には、生活基盤をしっかり形成しておかないと不可能だろう。不惑の段階で、自身の使命を認識し、それを完成させるための取り組みというのが不可欠のように思う。
世間を見渡すと、興味深いのが芸人さん達だ。40代以前の若手に分類される方々の多くは、健康状態が今一な方が多い一方で、未だに露出が多く番組のMC等を務められている40代、50代の芸人さんで、身体を鍛える事が趣味のように成っている人達は、仕事の成功と健康の獲得という二つを両立出来た成功者のようだ。これは、一般社会にも言える事で、40代以前の人は、致命的な異常には陥っていないが異常がある状態。それ以降の多くの方は、非常にヤバイ状態である一方で、早い段階で仕事を次のステップに踏み出して自身の時間を確保出来るような起業家の多くは、やはり身体を健全に保つ事に取り組んでいる人が多い。
誰しもが、このような両立が果たせる訳でなく、凡人では、異常兆候の現れた段階で、両立が出来無いならば選択が必要なのだろう。そして、選択によって道が変わるのである。
自身も凡人だが、凡人としての選択は、身体第一の生活の選択だが、この選択をする人というのは、やはり非常に少ないようだ。
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