今の住まいは、1999年頃の建築である。安価な2×4構造の住宅。
当時のハウスメーカーのカタログを見ると、施工の素晴らしさを謳っているし、建具や金具の選定でカッコイイ文面が踊っている。
因みに、横並びの8件は、同じハウスメーカーの建築物だけど、今になってみると、結構、いい加減な作りだと思う。
取り敢えず、基礎が割れたり、ビー玉が転がったり、戸が閉まらなくなったりと言ったトラブルは無いけど、細かい処は、こういう仕事は無いだろう、、、的な工事が散見される。
取り敢えず、住宅関連で怖いのは、なによりも水である。漏水は非常にリスキー。シロアリの繁殖を招いたり、骨格木材を腐らせたり、ろくな事がない。
漏水が危惧される箇所というと、コーキングの劣化による雨水の浸入、内部換気部の防水処理不完全による水の壁内浸入である。進入雨水は、下方に抜けるので、水切り近辺からの水分の浸潤等で確認できる。
我が家では、湿度に神経質?であり、住宅の周りには土間コンをうって家の周囲に土が露出している箇所は無い。そのため、基礎の立ち上がりは常時乾燥しているが、昨年末、部分的に水切り下に湿気を感じたのである。
この湿気、上部のどこからか水分が落ちてきた物と判断したけど、この出所が不明だった。この水分は、恐らく、どこかのコーキング劣化から水分が進入して、、、、と考えたのが外壁再塗装の切っ掛けだが、足場を組んでコーキング箇所をいろいろ確認する限りにおいては、コーキングは至って健全で傷みは全く無い状態であることを確認した。
取り敢えず、工事ではコーキングの打ち換えを行うので古いコーキングを剥がして判ったのは、どうやら内部漏水が原因ということ。この内部漏水は何処?と辿って行き着いたのが、浴室換気口である。浴室換気口の防虫網の殆どが目詰まりを起こしており、換気パイプと内挿ベントキャップの接合面の隙間から湿気が漏洩し、凝結水がサイディング内側を流れていたというのが顛末だ。丁度、そのころ浴室内の換気が今一遅い、、、、湿気が抜けるのに時間が掛かるなぁ、、、と夫婦で話していたのだが、これなら合点がいくのだ。
この発見は、自分が勝手に換気口を取り外し、ダクト工事の施工状況を確認して判った事だが、正直、素人が見ても、この工事は、相当に適当、、、、、と言わざるを得ない。
並びの8件、近くの団地の多くが同じハウスメーカーの施工だけど、恐らく、全ての物件が同レベルの施工だと思われるが、恐らく誰も気付いていないのだろう。水切り裏の湿気なんて、普通は判らない。
浴室換気口に防虫網を付けるのは親切かもしれないが、長い年数が経過すると目詰まりは不可避。そして、はめ殺し故に、詰まったホコリの除去は不可能。結果的に内部漏水するのは十数年後だが、その事態は確実に起こりうる筈である。我が家では、たまたま家の周囲を土間コンで打って基礎の乾燥を毎年チェックしているから気付いたようなものだけど、普通は気付かない。
今回、換気配管の設置工事をゼロから行う事はできず、我流で換気ダクトの外壁からの突き出し調整を行い、外壁間との断熱処置、そしてコーキング処置により内挿差し込み部からの漏洩蒸気が内部に進入しないように処置を行い、換気ダクトの勾配をしっかり与えるように、換気パイプを支える木枠を製作し浴室天井内に設置した。なお、内挿差し込みでは、通常は、ベントキャップの奥側にコーキングを打って組み付けるのが普通で、内挿部のシーリングは、それだけだけど、フェイルセーフとしては今一完全でないので、ベントキャップ内側からベントキャップ端部と配管パイプ内側の隙間部にも難燃耐熱シリコンラバー充填材を充填した。つまり、換気パイプとベントキャップの差し込み部は内側境界、外側境界の両方をコーキングした形だ。蒸気は完全に建物から外部に排気されるように改造を施した。
更に、ステンレス製ベントキャップはスポット溶接組み立て構造で、その隙間からサイディング外壁に向けて蒸気が漏洩する可能性があるので、ベントキャップ内側の接合面の隙間部にも難燃耐熱シリコンラバーを充填して、蒸気はダクト開放部からのみ排出される構造だ。神経質な程に、湿気を建物から排出されるように改造してみた。
勿論、素人施工が正しいか?の自信は無いので、今回の工事で窓口をお願いしている工務店さん(15年の付き合い)に、変であれば、正式工事をお願いするとういことで工事を確認してもらうと、完璧以上というお墨付きをもらったので、最終的なベントキャップ外側と外壁間の目立つ部位のコーキング等の実作業をお願いして済ませた。
外壁塗装前に、懸念部位の処置、換気パイプの取り回し等を変更した結果、浴室排気能力は元通りになって、換気中、換気後の懸案部(水切り裏側)における湿り気も無くなったので、取り敢えずOKだろう。
工務店さんの意見としては、やはりハウスメーカーが施工した初期の工事は『手抜きとは言わないが、丁寧とは言い難い』との事。
そこで、この部位の工事状況でトラブルがあるかどうか?をネット検索すると、結構な頻度でヒットする。有名なハウスメーカーの物件でも数多く問題が起こっているようだ。ダクト処理がいい加減な場合、酷い物では、新築二年でサイディングパネルが崩壊したりするようだし、築15年後の外壁塗装後に問題が発覚して再工事で出費が嵩んだ人もいるそうだ。
今回は、防虫網の目詰まりで蒸気に逃げ場がなくなって劣化シール隙間から漏洩蒸気がサイディングパネル側に流れ出ていたのが原因のようだが、防虫網メンテが現実的に不可能ならば、目詰まり後の漏洩リスクを考慮した工事が当然だけど、どうも、そういう工事が施された様子は無い。
住宅購入当時、ハウスメーカー建築部の人は、自社施工だから自信があります的な話をしていたけど、このレベルである。取り敢えず、機能はするし、立ててから数年内では問題は明らかにならないのかもしれないが、個人的な感想としては、こんな配慮に欠けた工事は完全にNGである。フェイルセーフを何重にもしてこそ、良心だろう。
他の家の事だから、大きなお世話かも知れないが、恐らく、ダクト周りの施工状態は、何処も同じ様な状況だろう。築年数も同程度の家ばかりだけど、果たして、どんな状況なんだろうか、、、、、
近隣の家もタイミング的に、外壁再塗装を始める頃。並び8棟で、我が家は再塗装等外壁リフォーム3棟目だ。他の5棟は未だ工事は行っていない。先の2棟は、訪問業社、塗装専門業社にお願いされたようだけど、我が家は、懇意の工務店にお願いし、序でに、外構改造もお願いしたり、内装工事のお願いもしている。それ故に、屋根裏の配管等をトータルで補修を行っているから気付いたような物だけど、普通の塗装業者だけとの進行では、そういった部位の補修等は進めていないような気もする。
因みに、サイディングパネルの内側を水が伝っていたという事実から、床下が心配になったので、床下を潜って家全体の土台を確認。特に水回り近辺の土台をチェックしたが、幸いな事に、土台と基礎上の木材等がぬれていた痕跡は確認できず、完全にカラカラの乾燥した状態である。虫の死骸も皆無、クモの巣も皆無で綺麗な状態であり一安心である。
水漏れ、湿気、、、、これが一番怖いからね。
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