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2015年5月20日 (水)

見れば見る程

巷でライバル視されているMT-07とNC750S。
これ、排気量とエンジン型式が近いくらいで、見比べる程に別物感が大きくなる。
全てが正反対だ。
MT-07は軽快さを追求したモデル、NC750は安定を追求したモデル。
270度クランクのパラツインでもMTとNCの目指すモノは違う。
敢えて言えば、扱いやすさを等しく求めたのかも知れないが、アプローチが真逆である。

基本、どちらを買うつもりも無いが、自身のイメージとしては、SV650的なのがMTで、CX的なのがNCという印象である。同じツインでもキャラは全く違うような印象だ。

モデルとして見ると、MTはSVと目指す方向が同じ様に見えるし、NCとCXは同じ方向に見える。

言ってみれば、スポーツツインとコンフォートツインのような違いを感じる。

スポーツツインとなると大事なのは軽さ。それから高回転域迄しっかり回せて使えるの広いパワーバンドだ。ショートストロークの高回転型ツイン+軽量ボディということで、MTはSVの延長線上にある。SVは高回転型ツインを90°V型+ナローな車体による運動性能で解を求めたモノ。MTは90°V型の特性をパラツインで近付けるために270°クランクを採用で求めたモノ。但し90°Vとはエンジン構成が全く異なるので、重心が高くとも短い車体でSVとは違う世界のスポーツ性能を提供している。

コンフォートツインでは、兎に角、安定感。それから低回転域からの退屈させない脈動だ。これがロングストロークの低速型ツイン+低重心設計だ。CXでは安定感を縦置きクランク+ダイヤモンドフレームによる低いエンジンマウントで実現しているが、MTでは超前傾エンジン+吸排気系の超コンパクト化でハイトの低いパワーユニットを低い位置に取り付ける事で実現している。270°クランクは一定のリズムの360°クランクとは違い、抑揚のある出力特性だが、抑揚のある出力特性と吸排気系のコンパクト化を実現するための270°クランク採用というモノ。兎に角、重量物を低い位置に配置する事で、かつて無い安定感を提供している。

長い年月を付き合う事を考えると、NC750は実に興味深い。

前傾エンジンによる低重心、、、、これって、ビジネスバイクのCD50/90とかスーパーカブと同じような構成だが、スーパーカブ、ベンリーコンセプトを重量車で実現しているというのは、かつて無い発想だ。

世界を席巻したスーパーカブの車体構成。不思議な事に、カブ、ベンリー以外には、このような車体構成を持つ二輪車は少ないのだ。世界を席巻したメカニズムを重量車に初めて持ち込んだのが、このNCシリーズである。実に地味なイメージだけど、そのコンセプトは、物凄く革新的に見える。NCなんて名前は止めて、NC750Sは、スポーツカブC750、NC750Xは、ハンターカブCT750だったら楽しい。そして、CTX700はスーパーカブC700で良いような気がする。

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