モイストヒーリングはベスト?
最近の外傷療法としては、従来のガーゼ+絆創膏による方法は否定されつつあり、今は浸潤療法、モイストヒーリング療法という方法が主流として唱えられている。
この方法は、傷の部分は、水道水による洗浄のみで、消毒は行わず、傷の部分をパッチ等で多い、内部に体液を満たせて皮膚再生に適した環境を与えてやるというモノ。
自身、この方法では傷の部分を被うパッチ下が、何時までも体液でブヨブヨしているのが不快であり好きではない。
以前、脚を広範囲に擦り剥いた時、二日経過時点で瘡蓋が大まかに出来ていた状態だったのを、周りのプレッシャーにより病院に行ったら、瘡蓋を剥がし取られ水道水で洗われた上に、傷パッチを貼られる治療を施された。
しかし、この治療で治癒に要した期間は二~三週間であり、あまりにも長い期間故にウンザリしたもの。
自身の経験上、狭い範囲の外傷なら瘡蓋は翌日に形成され4日程度で治癒、φ3cm程度の中程度の外傷でも一週間~10日程度で治癒というのが経験則だっただけに、如何に広範囲とは言え、三週間に及ぶグジグジは正直面食らった記憶がある。
今回のペダルの折損による肘の擦り傷は2cm×4cmが二箇所という比較的広範囲の傷だけど、丸一日経過時点で瘡蓋が形成されており、二日経過時点で小さな部分の瘡蓋は剥がれ落ちている。傷の深い部分は三日時点でも瘡蓋の下はグジグジしてそう。
どっちが好きか?というと、個人的には、瘡蓋を作って放置プレーで直す方法だ。
理由は、人間というのは存在していこう確実に外傷を負う生き物。その生き物の治癒システムとして瘡蓋を作って治すというのが進化の結果で得たシステム。
そう考えると、瘡蓋を作らせて放置というのが一番自然だと思うからだ。
最近の説では、傷を体液シールドで被う事で細胞再生に適した環境を維持する事。この環境は肉汁で満たされた状態という事とされているが、所詮、シールドで被う訳であり、日常活動の元では、シールドが破れたり、剥がれたりする。そして、定期的な交換が進められたりしている。本来の瘡蓋でも下層に体液が満たされているだろうが、その量は最小限であり、シールドでブヨブヨのように大量に満たされている訳ではない。
この体液というのは、再生にどのように寄与しているのかは不明だが、体液中に再生に必要な成分が一定濃度に到達して再生が開始するものだとすれば、シールド下に大量の体形があれば、濃度に達する時間は長いだろうし、洗浄の度にリセットされたりする。仮にそういう仮説が成り立つならば、瘡蓋で最小限の体液をずっと維持するという方が細胞再生は速い気もする。
どっちが正解かしらないが、個人的には経験的に早く治癒してきた、瘡蓋作って放置プレーが好きだ。
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コメント
こんばんは。コメント有り難う御座います。
>ひでさん
モイストヒーリング、確かに早く直るのかもしれませんが、本来の治癒システムで私も十分だと思います。
しかし、関節部分等で曲がる箇所の怪我では、瘡蓋が部分的に割れて長引く可能性もありますので、御指摘の通り、ケースバイケースで治すのが良さそうですね。
>通りすがりさん
広範囲ほどモイストヒーリングが良いのかも知れませんが、広範囲ほどシールドが弛みやすく膨らみやすいので、なかなか、難しいですね!
私は、怪我の範囲よりも深さが結構重要なような気がします。案外、深い傷ではモイストヒーリングが良いような気もします。
投稿: 壱源 | 2015年7月11日 (土) 00時35分
こんばんは。
ぼくも、壱源 さんの考え方に大体同意ですが、、、
一言コメントさせてください。シールドで下がブヨブヨするのは、まずいシールドです。本来の皮膚と同じようなシールドでなければいけないと思ってます。本来の皮膚は内圧の高いリンパ液が浸み出さないように強力に頑張ってますからね。皮膚と同じくらい強力なシールドであるべきです。
投稿: 通りすがり | 2015年7月10日 (金) 23時46分
追記です。
モイスト法の初めは
・無駄な消毒はやめよう
・消毒と称して瘡蓋を剥がす(ガーゼを剥がす)のはやめよう
だったような。ガーゼを貼ったままにはできない(食い込んでしまう)ので、滑らかなもので覆って、はみ出る液体をガーゼなどで吸い取っていたように記憶しています。
それがいつの間にか、現在のような極端なことになってしまったような。
バンドエイドなどの市販品は
・滑らかな表面(ガーゼではなくポリマー)
・適度な吸水性(ポリマーで吸水)と、通気性(湿気は保持するが、蒸れない)
・体液が多すぎるときは膨れて警告
になっており、考えてみると、瘡蓋と同じような機能を持っています。
こちらのほうが基本に忠実な気がします。
投稿: ひでさん | 2015年7月10日 (金) 18時00分
モイストヒーリングですが、私は次のように考えています。
(1)むやみに消毒しないのは〇(最初の汚れは落とすべきだが、その後は免疫で十分)
(2)基本は瘡蓋が最適
(3)ただし、あまり大きい瘡蓋は、皮膚の屈伸・伸縮で割れ、また、乾燥時に収縮してひきつれてしまい、せっかくできた薄皮を破って新たな傷を作ることがあるので、瘡蓋をそれなりに柔らかく保つことも重要。
自身の場合、割れたり、ひきつったりしないようならそのまま、そうでなければ、瘡蓋があらかたできたところでラップを張り付けて、保湿しています、硬貨程度の大きさまでは、これですぐに治ります。硬貨以上の大きさの場合は、ケースバイケースですが、とりあえずラップを張っておき、薄皮ができ始めたところで瘡蓋+保湿へ移行ですね。
日本人はまじめなので、マニュアル化されてしまうと、厳密に守ることが最優先になってしまいます。
ただ、モイスト法以前は、
・傷口に直接ガーゼ
・ちょくちょく剥がして(瘡蓋もはがして)
・消毒(ダメージを与える・痛い)
だったわけで、これに比べれば
・なるべくいじらない
・瘡蓋(に代わるもの)をはがさない
だけ、随分ましかもしれません。
投稿: ひでさん | 2015年7月10日 (金) 00時34分