アルベルトe VS アシスタスーパーリチウム
11年落ちのアシスタスーパーリチウムとアルベルトe、比較してみました。
アシスタは古くても電池は二週間以上保ちますし、一応整備しているので程度は良好です。
何れもリチウムイオン電池で容量的にはイーブンです。自転車の基本的な駆動系も共通で内装三段のインター3装備の26インチ仕様となっています。
アルベルトeはクランクに磁歪式トルクセンサーを装備して、フロントハブモーターで駆動する前輪駆動仕様、後輪ブレーキで回生充電する構造となっています。前輪で速度検出しているので、どのギアポジションでもアシスト制限速度は不変です。なお、新基準のアシストで人力の二倍のアシストを行います。走行負荷の66.7%アシストを時速10km/h迄行う仕様となっています。
アシスタスーパーリチウムは磁歪式トルクセンサーを初めて装備したモデルでセンターモーター式後輪駆動車となります。速度検出はクランク回転からの演算によるもので、ハイギヤードポジションにおけるクランク回転数がアシスト制限速度となりますので、ロー、ミドルポジションではアシスト制限速度は低くなります。旧基準アシストで人力と等倍のアシストを時速15km/h迄行います。走行負荷比でいうと50%アシストを時速15km/h迄行います。
で、二車を同時に乗り較べての感想ですが、駆動輪がどっちにあっても体感上の差異はありません。興味深い事に、アシスト力の差異も体感出来る程ではありません。驚く事に、ペダルが軽くなる感じは後輪駆動のアシスタスーパーリチウムの方が顕著だったりします。これはトルクセンサーがトルクを検知して動力を伝えるチェーンをモーターが一定時間直接駆動する訳で、ペダルを踏む力がダイレクトに少なくなるように感じられるからでしょう。アルベルトeの場合は、別の動力で駆動されているというか、突然、路面の勾配が無くなったような感じとなるのが特徴です。ペダルを踏んだら、思いの外軽い力で漕げるというような印象です。軽い力で漕げたアルベルトeと、力を込めたら別の力で押されるようなアシスタスーパーリチウムという感じです。
実際、どっちが楽か?というと、800mのピストでのヒルクライムコース(平均斜度12.5%)を走ると、アルベルトeが3分30秒、アシスタスーパーリチウムが3分50秒ですので、アルベルトeの方が楽に上がれるのは確かです。体感上はアシスタスーパーリチウム、現実はアルベルトeという違うが生まれるのが興味深いです。因みに、ピストでは3分で上がります(平均速度15km/h程度)。
時速10km/h時点でのアシスト比率は新旧で30%程度の違いがありますが、時速15km/h時点では10%程度の差に縮まります。思った程、新旧基準での違いはありません。人力の二倍という意識だと半分の力で済むような錯覚を与えますが、走行負荷でのモーターの負担率で比較すると、66.7%負担にたいして50%負担ですから人力が33.3%に対して50%ということですから実は30%の違いに留まる訳です。それも時速10km/h迄であり、登坂速度である10~15km/hの領域では10%強の違い迄に縮まるのが実際です。
操縦性については、重量物が中央に纏められたアシスタスーパーリチウムの方が乗り易いように感じますが、乗り心地自体は、ベルトドライブのアルベルトeの方が優れるように思います。これは、ペダルの踏み心地に起因する違いでしょう。
電動アシスト自転車二台を比較して思ったのは、この十年間で思った程進化していないというのが正直な感想です。
駆動系に非接触型の磁歪式トルクセンサーが採用された2004年の時点で、システムとしては完成形に到達したと考えても良いでしょう。
アシスト規格の違いも、それ程大きな違いを生んでいないように思います。
このような電動アシストシステムは、様々な形態の自転車に特化して規則が細分化すれば更に使いやすい物になるかもしれません。
車体重量に応じて、アシスト比率を現行の1:2より更に大きな比率でアシスト出来るようになれば、多人数乗り自転車、重量物運搬用自転車が生まれるかもしれません。
三輪、四輪の電動アシスト自転車で3人、4人乗りのモデルが生まれれば面白いような気がします。
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