アシスタの基板確認
ユニットを開放すると、内部に大小の基板がある。小基板がセンサーアンプ(制御基板)
入力は6本線のトルクセンサーからの配線、出力は3本線。
センサー出力に最初に繋がっている5KΩの抵抗チップが鍵。これの抵抗をバイパスさせてプリアンプに入る電流値を増やせば、見た目上大きなセンサー負荷に相当する電流をプリアンプに送る事が出来る。この抵抗チップを小さいものに付け替えれば、恐らくトルクセンサーからの出力がMAXで継続してプリアンプに送られる。実際にバイパスさせると回りっぱなしになる。抵抗値が5KΩでアシスト比が1:1となり、大きな抵抗にするとアシストゼロでモーターは動かない。となると、5~10KΩの可変抵抗をチップ抵抗と入れ換えるか並べて繋ぐのが良いかも知れない。
なお、モーター側の構造を見る限り、回転数検知は為されていない。モーターのアンペアだけでは、回転数は取れない。となると、磁歪式トルクセンサーからの6本の信号線(白、黄、赤、青、橙、緑)のどれかがトルクセンサーから回転数もピックアップしている筈。クランクトルクが掛かっている時だけ、回転数検知が出来れば良い訳で、常時検出する必要は無い。あとは、この基板への信号線のどれが回転数検知をしているか?を探せば良いのかも、、、回転数検知しているラインがわかれば、その部分の抵抗を大きなものに変えれば、回転数が正規回転数より低い状態の数値しか入力されない筈。そうすれば、速度リミットは外れる筈だ。
つまり、この小基板でトルク検知と回転数検知を行い、回転数検知で必要ならば補正した値を通信しているものと推測される。ただし、何を通信しているか?が疑問。三本の線はシリアル通信の線と考えると、如何にも太い、、、、これは信号線とは違うような気もする。
先のトルクセンサーからプリアンプに繋がる途中のチップ抵抗5KΩをバイパスさせて抵抗ゼロで電流をマックスでプリアンプに送ると、モーターが回りっぱなしになるというのは、モーターはオンオフ制御で駆動時間でモーター出力が定義されているということ。
モーターの作動時間は、トルクセンサー検出値とクランク軸回転数で決められている筈だ。ケイデンスが高い状態では、モーターの作動時間を連動させなければ、クランクポジションに寄らずモーターが作動し続けてしまう。ケイデンスが高い状態(速度が上がる)程、モーターの作動時間を短くすればアシストを減らす制御が成立する訳だ。
モーターの制御は作動時間のみ出力がコントロールされており、電流値自体はコントロールされていない可能性が高い。
モーターの作動する時間は、トルク検出して、その際のクランク回転数から割り出したクランク一回転の時間の1/2時間をアシストの最長時間としている筈である。この時間はケイデンスに比例して可変だが、時速15km/hでアシスト作用角を減らすようにモーター作動時間を短縮し、時速24km/h時点でアシスト作用角がゼロとなる設定の筈だ。
だとすれば、アシスト比率を上げるというのはモーターの作動時間を極力長くする事。モーターの作動時間を長くするために、トルクセンサー側の抵抗を小さくして大きなトルクが掛かっていると見せかける事。そして、作動時間を逓減させないために回転数センサーからの抵抗を大きくして回転数が小さいと見せかける事が速度リミットを解除するのが秘訣のような気がする。
このような基盤改造を行わないのであれば、モーターの限界迄アシストさせるには、モーターが過負荷状態にならない程度に、アシスト側の減速比をハイギヤード化すればモーターアシストがクランク作用角拡大に効果的に行われる筈だ。但し、アシスト側のスプロケットを大きくしてハイギヤード化してもスピードリミットは解除されないが、ハイギヤード化することで動力を伝えるチェーンのコマ数が長く(時間が長く)なり、結果的にリミット上限が緩和される訳だ。
逆に、ローギヤード化すればモーターの作動時間が不変なので、動力を伝えるコマ数が短くなりアシスト時間が短くなる。ただし、速度リミット上限の状態は変わらず、その際におけるアシスト時間が短くなっているだけとなる。アシスト力は失われないが、アシスト時間が短くなるためにアシスト作用角が狭くなるのだろう。
アシストスプロケットの歯数の見直しと、トルクセンサーからの入力信号(トルク値、回転数)の操作、これがアシスト能力を変化させるコツのようだ。
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