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2015年8月 9日 (日)

電動アシスト自転車のアシスト

旧基準の電動アシスト自転車のアシスト量は、最大で人力の等倍(アシスト比1:1)で、最大アシストが可能な漸減速度は15km/hが上限で、アシスト限界24km/h迄に徐々にアシスト量を下げるもので、新基準はアシスト比が2:1で、漸減速度は10km/h、アシスト限界24km/h迄に徐々にアシスト量を下げるもの。

基本構造は、クランク軸におけるトルク検出を行い、A/D変換後にモーターで検出トルクと等価な出力を加える構造。駆動は、駆動チェーンをアシストモーターによって駆動する。アシスト駆動の一次減速比は、ドライブスプロケット/アシストスプロケットとなる。トルク検出は2002年以前は、遊星ギアを用いた接触式トルクセンサーを用いていたようだが、2003年以降は非接触の磁歪式トルクセンサーを用いている。検出トルクは、クランク角度によって変化するために、アシスト動力も連動して変化する構造。ペダル一回転で、左右のクランクが前方水平になる時点が最大アシスト動力を得る構造。

なお、アシスト比は走行速度によって異なるが、走行速度は、従来はアシストモーターの回転数から検出していたらしい(確信が持てず疑わしいのだが、、、)。自転車自体の変速機で最もハイギヤードとなる減速比の状態で、漸減速度、許容速度におけるモーター回転数毎にアシスト比を切り換える構造となっているために、自転車の変速ポジションがローギヤードな状態では、漸減速度、許容速度未満の走行速度でもモーター回転数が規程回転数に到達してアシスト比が低下する構造だったが、S.P.E.Cというシフトポジション検出機構を搭載してからは、変速ポジション毎に漸減速度、上限速度時のモーター設定回転数を切り換えて、ギアポジションによらず法定速度迄アシスト量が維持できるようになっている。
まぁ、現実的には、低いギアポジションで高速走行する事は無いので、この改変は実使用においては、それ程有用な場面が多い訳ではない。
このような、ギアポジションの違いによらず、法定速度内でフルアシストさせる構造としては、他に、速度検出センサーを用いる方法もある。

その後、クランク位置による人力による駆動トルクの変動に併せてアシストトルクも変動するが、人力駆動トルクが抜けた瞬間でもアシストトルクを保つ事でクランク回転を滑らかに保つような制御も加わっている。

通常、自転車のカスタムでは、通常動力部であるチェーンリング歯数、ドリブンスプロケット(リアスプロケット)歯数の変更によるギア比変更が誰でも思い付くが、電動アシスト自転車の場合、ギア比を変更してもアシスト比は不変であり、検出トルクに従って制御された出力しか得られない。リアスプロケットの歯数が変わる事で、アシストユニット側の二次減速比がハイギヤード化されると場合によってはモーターが過負荷状態になる事も考えられる。但し、モーターの出力から考えると、出力をオーバーさせるような過大な駆動トルクを掛ける脚力の持ち主は殆ど居ないだろう。
アシスト比を規程する切り換え速度(漸減速度、上限速度)に関しては、アシストアウトプットシャフトの回転数を検知しているものの場合に限り変化するが、別(前輪等)の速度センサーから速度検出しているモデルについては変わらない。

電動アシスト自転車のカスタムでは、本来のチェーンリング歯数/リアスプロケット歯数のギア比変更が殆どで、効果としてはアシスト比の切り換え速度を上げて高速でもアシストが得られるようなカスタムが殆どである。

ギアポジション検出方式(S.P.E.C.3等では)では、どのギアポジションでもローギアポジションである状態の信号で固定すれば、ミドル、ハイの位置ではギア比に応じてアシスト切り換え速度が上昇する。内装三段車では、ギア比は、0.67:1:1.33であり、常時ローポジション信号で固定すれば、ミドルの位置で24×1÷0.67=35.8km/h、ハイの位置では24×1.33÷0.67=47.6km/h迄アシストされる筈。当然、漸減速度も高くなるだろう。
前輪から速度検出するタイプは、検出速度信号を10km/h設定以下になるようにすれば、常時フルアシスト化させる事も可能だろう。この信号がどんな状態である必要か?を解析する必要があるが、それ程難しい問題では無いかも知れない。

ここまでは、アシスト量を切り換える速度設定を変化させるものだが、実質的なアシスト量を変える方法は?というと、検出トルクから演算された比例制御出力されるモータートルクを駆動の際にローギヤード化してチェーンに伝える方法が一番簡単。方法的にはアシストスプロケットの歯数を小さくすることで、アシスト側の減速比を下げる事だ。

アシスト量の変更パターンは二通り考えられる。一つはアシスト比自体を大きくする方法、もう一つは、アシスト比率は不変ながら漸減速度、上限速度を高くして領域を拡げる方法。

アシスト比を大きくするには、駆動トルクを検出する側の検出量を増やす(強くペダルを漕いでいるように)方法と、モーター出力自体にアンプを掛けて増やす方法が考えられる。前者の方法では、駆動トルクを検出する磁歪式トルクセンサーからの出力値を大きくする方法が考えられるが、アナログ値を増幅させるために回路上のチップ抵抗等を小さくするとS/N比が変化(レンジは不変ながら、信号を倍にするとノイズも倍になる)し、その場合、アシスト制御自体に滑らかさが失われる可能性が高い。トルクセンサーからの検出出力を無視し出力値を常時MAXとすると、モーター制御自体が比例制御のために、モーターが常時回転となるので、所謂、単車になってしまうのでNGだ。ペダリングに応じたトルク変動に連動したモータの変動出力が必要なので、理想的には3相モーターの制御用ICに手を加えてアシスト増幅率を高める事一番合理的。しかし、アシスト増幅率をオリジナルICで製作するとなると、カスタムのハードルが一気に上がる。

となると、制御面でのアシスト比率は換えず、漸減速度、上限速度のリミッターを解除するのがよいかもしれない。S.P.E.C.3等のシフトポジションセンサーとか前輪からの速度検知のモデルでは、その部分の工夫で対処可能だけど、モーター回転数から速度演算しているタイプは別の方法が必要だ。モーター回転数に連動して、アシスト比率を比例制御しているということは、その回転数を低い数値として制御系に渡す事が出来れば、その分、実走速度より低い速度信号しか届かなくなる。こうする事で、特に漸減速度が15km/hで、それを越えるとアシスト比が減少するという特性が解除できるために、漸減速度を超えても常時フルパワーアシストが可能となる。

ユニットに負担を掛けず、アシスト比率をアップさせるには、速度リミットが外れるのであれば、機械的な減速比をローギヤードサイドにすれば、その分、トルクが増大する。具体的には、アシストスプロケットの歯数を小さくすること。この歯数を小さくするだけでは、漸減速度、上限速度も下がるために低速走行以外ではデメリットが大きいが、速度リミットが外れていれば、高トルクのままに全域でフルパワーアシストが可能となる。更に、トルク検出系、出力制御系には全く負担を掛けていないのでハードの耐久性も失われない。

ということで、回路的には、速度を吐き出しているラインを探す事ができれば、広い速度域でアシスト比最大の仕様とする事が可能となる。

速度をホントにモーター回転数かれ検出しているとすれば、旧基準車だと、前記事通りに、アシストスプロケットの歯数は9Tから8Tに交換しても、漸減速度は15km/hから13.3km/h、上限速度が24km/hが21.3km/hで、補助トルクは12.5%増しだから実用走行限定なら十分なような気もするが、漸減速度リミットを解除すれば、坂道走行でも電動アシスト自転車なら登坂速度は15~20km/h程度を維持するので、漸減速度を20km/h程度迄引き上げる事が出来れば、坂道も楽に速く登坂出来そうだ。

アシストトルクを大きくするには、アシスト駆動側の減速比を大きくする必要がある。しかし、アシストスプロケットは標準が9T、入手可能な別歯数が8Tで、物理的にそれ以上小さくする事は難しい。となると、リアのスプロケを大きくすると、ドライブトレーン全体の減速比を大きくなる。一漕ぎで進むキョリを保つためには、チェーンリングの歯数も増やす必要が出てくるが、ギア比を考えると、リアスプロケを1T増やせば、フロントは3T程度増やす必要が出る、、、そうなると、コストと手間が効果に見合うか?が問題となるので、そこまで行う事は無さそう。

現実的には、アシストスプロケットを1T小さい8Tを用いるだけが一番コストパフォーマンス的に優れそうだ。

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