レプリカバイクが好きだけど、自身がそういう所に出没していた時期のせいか、好みに嵌る年代の境目が存在する。
それは、80年代か否かだ。1980年代、自身は高校生~大学院迄の時代であり、この時代が一番単車に関心を持っていた時代であり、その時代のモデルが慣性に一番マッチする。
1990年というと、学生生活最終年であり、峠やサーキットに毎日出没していたか?というと、そうでもない。学生時代最後の年の1990年では、月に数回程度である。
それ故に、記憶に鮮明に残るのは1980年代であり、印象に残るモデルも1980年代のモデルばかりである。
1980年代の幕開け、1980年というと中学卒業の年、オートバイ雑紙を賑わせていたのは、1970年代末期に登場したZ400FX、CB750FZといったモデルである。1970年代末にキャストホイールが認可されて、ホイールデザインに併せてデザインが近代的になりつつある時代。この時代の特徴は、タンク、サイドカバー、テールカウルの連続性のあるデザインの登場だ。以前のモデルは、各パーツが独立したデザイン+スポークホイールであり、デザインエッセンスが大きく変わったのがこの時代である。オートバイブームが炸裂し始めたのがこの時期でもある。
そもそも、テールカウルというのはレーサーのシングルシートカウルのデザインとの類似性からスタートしたものと思われるが、スポーツバイクのデザインエッセンス=レーサーという概念が定着したのが、この時期である。
この概念を具現化したモデルが、CB750F、RZ250、AR50だろう。直前のモデルがZ750FX、Z250FT、RG50Eであり、ここに時代の境目があるように見える。
自身、関心が高いのは、この境目以降のモデルだ。
逆に、1980年代の終わりは、1980年に始まったレーサーエッセンスを市販車に取り込む事とは反対のムーブメントを発掘したモデルの登場からスタートする。それは、1989年登場のゼファーだろう。このモデルが登場した背景は、レーサー志向へのムーブメントが1988年に到達した反動で登場したように思えるが、スポーツバイクのレーサー志向が頂点に達した1988年頃のモデルを見ると、それ以前のモデルは、登場の度に、ユーザーを驚かせ、性能も大幅に向上するという対価に見合う製品性能が実現されていたけど、1989年以降では、先鋭化しても高価になり続ける対価に見合う性能がユーザーにとって判りづらく、扱えない状態となったためのように見える。特に、1988年の厳しい規制の施行に伴い、実質性能が頭打ちとなってしまったのは、ユーザーの熱を冷ます大きな転機になったと言える。
勿論、1989年以降も新たに登場するモデルは確実に性能を高めていたのは確かだろうが、ユーザーが引き出せる性能に差異は殆ど無く、1988年時点においてモデル群の装備は当時のライダーにとって十分な装備であり、もはや手を加える箇所は殆ど無い状態にもなっていたように思う。
1990年代以降のモデルは、装備的にも充実し、機能的にも洗練されたモデルが多いが、1980年頃のモデルのような未完成ながら上昇志向の固まりようなモデルとは少々違うように見える。
そして、自身が感心を持つモデルというのは、それ以前のモデルと言う事になる。
未完成ながらワクワクさせる感じを伝えてくれるモデル、、、ワクワクしたのは、当時、そういう年齢だったからというのが最大の理由だけど、自身は1980年代に登場したモデルが一番好きである。これを自分流にカスタマイズして愛着を増して付き合うというのがスタイルだ。
1987年以前のモデルは、走行機能を司る構成は以前物足りない部分も少なくなかったけど、それ故に、新型が登場する度に見た目に判るアップデートが提示されており注目を集めていたが、1988年を頂点に、それ以降のモデルでは、リリース段階で殆ど完成形となっている。それ故に、1990年代以降のモデルは、ユーザーが手を入れる部分は殆ど皆無に近いようにも思われる。事実、我が家のモデルで最新のSV650Sは1999年製だけど、基本はノーマルだけど、何の不満も無い。
逆に、何の不満も無いモデルには、不満故に加える箇所も無いために、愛着というか拘りも、それ以前のお気に入りのモデル程は高ぶらないのも事実だ。
性能的には1990年代製以降のモデルが圧倒的に優れているのだろうけど、個人的には1980年代のモデルの方が感性にフィットするのである。
最近整理したモデルに、グース、ガンマ200があるけど、何れも1990年代製であり、性能的には優れているのだろうけど、何か足りないながら個性的な1980年代製の方が感性にマッチするのである。ガンマ200を調達した頃は、最終VJ23のRGV-γが欲しかったけど、今はガンマならばGJ21のRG250ガンマHBの方が欲しかったりする。
ガンマ以外の2ストではARシリーズを維持しているが、性能や機能的にはガンマ200が圧倒的に上回っているのは確かだけど、どこか感性にマッチするのは、少し物足りない1980年代のARシリーズであり、実際に手元に残っている。
ユーザーによって、どの時代が心に響くか?というと、ユーザーの生い立ちが大きく影響しているように思う。
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