NOX垂れ流しのEA189
VWのディーゼルエンジンEA189、計測時のみNOXを抑えて、通常走行時はNOX垂れ流し、、、だそうだ。
ディーゼルでは、NOXが多いために、尿素で還元、、、、そして、残りを触媒で吸収するというのが基本だそうだけど、NOX垂れ流しというのは、前処理である尿素でN2に還元仕切れないか、しても触媒で処理出来ないというのが原因だろう。NOXが多いというのは、そもそも、超希薄燃焼で燃費を稼ぎ、、、というのが大元で、燃費と馬力を求めすぎた結果、NOX処理が追い付かないのが原因とも思われる。
馬力と燃費を求めるがあまり、NOXが大量に出ても、後から処理すれば良い的な発想が破綻を招いたのかもしれない。
ディーゼルの良さを活かすには、欠点の本質を抑えるのが大事で、NOX自体の発生を前提として抑えるべき、、、、前処理不要のディーゼルこそが大事なのかもしれない。
そう思えば、前処理を行わないマツダのスカイアクティブDというのは、源流対策的なディーゼルユニットとも言える。
それにしても、VWともあろう大企業が、試験モードを検知してNOX処理をバイパスさせるという、こんな凝った制御プログラムで故意に誤魔化すというのは、、、モラルっていうのは、ドイツ人は絶対大丈夫という訳ではない訳だ。
今考えると、スズキの会長の強引な提携解消というのは、先見の明があったとも言える。動物的な感覚があるのかもしれない。凄い。スズキの環境対策では基本の軽量化を思いっ切り推進しているが、源流対策の極致という意味ではVWとは対極で一見ベーシックかも知れないが、実は一番確実で優れた方法なのかもしれない。
おそらく、今回のEA189のNOX垂れ流しの問題、、、、ディーゼルに留まらないだろう。そういう体質が組織に浸透していると考えるのが自然、、、、墜ちたブランドイメージを如何に取り戻すか?が、とても大事である。
ディーゼルユニットも米国に投入するには、相当厳しいハードルがあるようだが、そのハードルをクリアするためにとは言え、こういう方法は勿論NGだ。少なくとも、堂々とクリア出来るまで参入しないというのが本来の姿。
因みに、マツダのディーゼルは北米未進出。北米マツダによると、スカイアクティブDは現状のままでNOX削減装置を追加しなくても、米国の排出ガス基準を満たすことは可能だが、燃費とマツダ車らしいパフォーマンスのバランスを取るためには、さらなる開発が必要と判断したためだという。恐らく、次のスペックチェンジが、そのタイミングになるのだろう。
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