フェンダー材質
実用自転車の必須装備と考えているのがフルフェンダー。
形状的には、タイヤの周長を極力長く被う構造であるのが望ましい。前輪は深く被う程、雨天走行時における足下、クランクへの泥はね予防に効果的だし、後輪は浅いとサドル裏から背中が飛沫攻撃に晒される。
しかし、タイヤを深く被う程、固定用のステーのスパンが長くなり、フェンダーの揺れが固定箇所への負担が大きくなる。特に高圧タイヤ、大径タイヤ程、負担が顕著となりフェンダーに負担を強いる。
実際、ロードに本所テスタッチのアルミフェンダーを装着した際には、路肩の荒れた路面の走行の結果、固定箇所において破断を来したことがある。
アルミの板状のフェンダーでは、肉厚が大きい事、平面構造といことで脆さが露呈し、ステーの固定穴で破断する例も結構見る事が出来る。
そんなフェンダーだけど、高い信頼性と頑丈さを実現するためには、どんな材質が良いか?
一つ思い浮かぶのは、軽量なポリカーボネート製だ。機能的には非常に優れている。軽量故に固定箇所への負担も小さいのがメリット。樹脂製故に大型では歪み変形の場合もある。となると、ポリカーボネート製のフェンダーは比較的高価なために、趣味系の小径車向けということになりそうだ。PP製樹脂も同様だけど、ポリカーボネート製程軽くないために、本格的なフルフェンダーは殆ど見掛けない。まぁ、フルフェンダーとなると重量が軽くないのでメリットは低いかもしれない。
金属製ならアルミとスチールがあるけど、アルミの場合、固定部分を如何に破壊の起点とさせないか?という工夫が必要。固定部分をフローティングマウントさせるか、或いは、ステー本数を増やし、振動振幅自体を抑える工夫が必要。そうなると高価になるので、アルミフェンダーを用いる場合は、趣味性の高いスポーツ車向けということになるかもしれない。
スチール製はアルミ程軽くないけど、重量、強度のバランスが優れた製品。価格も安い。繰り返し疲労によってもアルミのように破断に到る事は稀。フェンダーステー本数を増やす必要もないし、固定にフローティングマウントを施す必要もない。ということで、実用自転車向けのフェンダーとしてはスチール製がコスト的にも強度的にも一番優れているように思う。まぁ、難点は錆びるということくらいだけど、実用車なら気にする必要も無い。
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