東京モーターショーで、RX-VISIONと命名された次世代ロータリーエンジンの搭載を前提としたFRスポーツカーの未来像としてのモデルが発表されたようだ。
マツダのホームページに詳細が発表されている。
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2015/201510/151028a.html
である。
内容のメインは、『『RX-VISION』は、デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」にもとづき、マツダが考える最も美しいFRスポーツカーの造形に挑戦するとともに、次世代REの「SKYACTIV-R(スカイアクティブ・アール)」を搭載した、マツダがいつか実現したい夢を表現したモデルです。』ということ。
次世代REをSKYACTIV-Rと命名して開発を続けており、時代の要請に合えば、このようなスポーツカーとして実現するという決意表明みたいなものだろう。
このスポーツカーコンセプトの特徴はホイールハウスの稜線がフロントエンドで最もハイトがあり、エンジンがマウントされているボンネット中央部は大きく凹んでいる。REの軽量コンパクトを最大限活かした低重心を視覚にも訴えるデザインで、FRスポーツカーとしては異例の低いボンネットが特徴的だ。
サイドビューは、フェラーリのFRスポーツカーに通ずるデザインで、第一印象的には、フェラーリの365GT4Bディトナのように見える。これまでのRX-7のアイデンティティとも思えた太いセンターピラーと大きなキャノピー型のグラスハッチとは決別しており軽量化に有利なコンベンショナルなクーペデザインとなっておりボディの開口部も小さくなっている。実際に登場すれば、かなり軽量化されそうだ。全体のフォルムはロードスター迄のエッジの立った鼓動デザインとは異なり、エッジに丸みを持たせた滑らかなフォルムで、FD3Sのような滑らかさを感じる。ボディ各部のディテールはシンプルながらフォルム自体の抑揚で単純に見させないのは、非常に素晴らしいようだ。
前後のデザインは、フロントエンドは最近のマツダ顔の延長線上に見えるが、リアエンドはFD3S型RX-7のガーニッシュデザインとの流れを感じ取る事が出来る。
ボディは前後のオーバーハングが大胆に切りつめられており、ロングノーズデザインとコンパクトなロータリーエンジンを考えると、車体の従来のRX-7以上に中央近辺にエンジンをマウントするような構造かもしれない。
公開されたコクピット画像は三連メーターでエンジンのレッドゾーンは8000rpmからと、REならではの高回転迄回す事が想定されているようだ。っていうより、コクピットデザインは、ショーカーというよりも市販車としてもOK的な仕上がりにも見える。
まさか、このまま登場するとは思えないが、過去に発表されたコンセプトカーと市販車の近似性を考えると、もしかしたら2~3年の内に、このまま登場するのかも、、、そんな気もする。
主要諸元は、
車名: Mazda RX-VISION
乗車定員: 2名
全長×全幅×全高×軸距=4,389mm×1,925mm×1,160mm×2,700mm
エンジン: SKYACTIV-R(次世代ロータリーを想定)
駆動方式: FR(後輪駆動)
タイヤ(リム) 前:245/40R20(9.5J) / 後:285/35R20(11J)
とのこと。ロードスターベースのシャーシとはいえ、大幅に伸ばされたホイールベース、ワイド化された車体で、殆ど別物とも言える。コンパクトなエンジンにも
関わらず、ホイールベースを400mmと大幅に伸ばしているのは、想定速度域が高く安定性のために必要とはいえ、収めるべくユニットが何か加わっているのも理由かも知れな
い。実際に、これ系のデザインで登場するとすれば、全長で-100mm、全幅でも-100mmといったサイズだろうが、骨格自体は維持されそうだ。
このような中大型のスポーツカーで、単なる新世代高回転型REというだけでは時代が許さないのは明白。間違い無く、従来のREのイメージを覆すような環境性能を与えられるのは絶対であり、スポーツカーの軽量さの維持を考えると、マイルドハイブリッド的な電池容量を抑えたハイブリッドシステム、それもエンジンと一体化させた薄型のモーター辺りを併用したシステムで登場してくる線が濃厚のように思う。
エンジンスペックの公開はナシだけど、基本は16Xと呼ばれるロータリーエンジンがベースだろう。旧来の13Bでの到達最高出力が一応280PSだ。排気量倍率から考えて、16/13=1.23倍以上の出力は確保されているだろう。最低線で250~280×1.23=307~344PSは確保していると思われる。マイルドハイブリッドタイプでエンジンと同軸配置の薄型モーターの出力の多くは、実は大したこと無いが、それでも補助すべき車体の大きさ、エンジン出力を考えると、最低でも現行CR-Zの20PS以上はありそう。全くの想像だけど、出力レベルで350~380PS程度のスペックとなって登場するような気がする。
何はともあれ、このモデル、今回のショーの最大の主役、、、そんな気がする。
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