« バーコン | トップページ | 旧SORAタイプレバー »

2015年10月15日 (木)

東洋ゴムの防振ゴムの不正

どんな不正?って興味があったのだが、内部告発で明らかになったそうだ。告発としては、、検査を行っていないのに検査済みだとしたり、ゴムの性能に関するデータを改ざんして、必要な規格を満たしているように見せかけたりして出荷していたということです。
で、内容は、、、

・出荷品質試験を行わず、過去の検査データを元にした計算式で算出した結果を利用。
・性能基準に満たないもの試験結果を性能基準に合格したかのような結果数値に改竄。

だそうだ。これ、ワイドショー的には、数値を扱う部門がこんな事してたら、外部取締役でも気付かないから、、、との話だけど、数値を扱う部門にしても、製品の性能試験を自己判断で改竄を決断する度量なんて無い筈。

つまり、性能試験を行う管理部門に対して、納期遵守とか、歩留まり改善といった利益追求の立場から上層部から何とか出荷出来るようにしろ!という指示というか命令があったはず。そして、内部告発というのは、自己の中の正義心と社命の違いのジレンマに耐えられない人が、行ったというのがホントのところだろう。

こういう偽装は、社内全体が知っている訳ではない。検査部門の一部、検査システムを作り上げた部門の一部、それから関連部署の役員、管理職、最終的な経営者が知っているのが普通。

何故に、こういう改竄をヨシとしたか?

それは、掲げる公称性能値が無理がある。そのために、目標に到達出来ない。しかし、掲げる事が出来る正しい数値で商売していたら受注が取れない、、、こういう市場ニーズに対する企業製品の性能不足、つまり技術力不足が最大の原因。
販売時における性能公称値の設定が、実現不可避なものだったり、他社の性能+αを簡単に営業部門が掲げたりする事が問題の温床となりやすい。

性能偽装が明らかになると、大抵は担当部門の責任ということで片付けようとするけど、99%、性能偽装の命令は会社のトップが行っているもの。そういうトップに性能偽装を改めるように進言したとしても、トップの返事は違う。例えば、、、『性能試験表示は、お客様に納品して貰う時に、こんな立派な性能ですよ!と安心してもらうための材料に過ぎません!』というのが定番。ギリギリの性能の品でドキドキしながら引き取って貰うより、バリバリ高性能!と思わせるのがお互いが幸せなのだ!という意味不明の論理体型。恐らく、担当者はそれ以上言い返せ無かったのだろう。そこで溜まった鬱積と不満、更に、そういうストレスを溜められつつも待遇に不満を持ったのが内部告発に繋がったと考えるのが自然だ。

恐らく、VWの問題も同じだ。性能数値を誤魔化しても出荷したら調べられる事は稀、、、、そういう工業製品の実態を考えれば、この問題は東洋ゴムだけではない。こんな実例は、幾らでもあるのだ。実際、知っているし、、、。

|

« バーコン | トップページ | 旧SORAタイプレバー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東洋ゴムの防振ゴムの不正:

« バーコン | トップページ | 旧SORAタイプレバー »