癌による痩せ
癌が進行していくと、多くの場合、見た目に痩せているように見える。
この痩せる原因は?を調べてみた。
先ず、痩せる癌とそうでない癌があるよづあが、痩せが生じるのは、大腸がん、前立腺がん、肺がん、膵臓癌の患者さんだという。
痩せる原因は大きく分けて二つ。
一つは、食事が摂れなくなり飢餓状態に陥った時だが、消化器系に癌が出来て食事が取りづらくなるのが理由。口の中、食道、胃、大腸に癌が出来たりする場合だ。癌と告知された時の精神的ショックによりうつ状態になると食事が摂れなくなることもある。
治療過程の抗がん剤や放射線治療の副作用により食事摂取ができなくなることもある。何れも、飢餓状態の進行による痩せだ。
二つ目が、がん悪液質の状態だという。悪液質になると皮膚が乾燥し、皮膚と毛髪の光沢はなくなり、目はくぼみ、皮下脂肪のない痩せた状態となり、脱力感、無力感、食欲不振などの症状が現れる。悪液質の原因は、がん細胞からサイトカインなどさまざまな物質が放出され、痩せの原因になる。がん細胞がサイトカインを無秩序に放出することにより痩せが起こるとも考えられており、最近ではより直接的に脂肪を分解したり、蛋白を崩壊に導く因子ががん細胞から放出されていることも報告されているそうだ。
以前の記事で、老衰では死滅した細胞が分解した時に発生する炎症性サイトカインが周囲の細胞を死滅させるという事を紹介したが、がん悪液質でも似たような状況に陥るようだ。
細胞の消滅では、炎症性サイトカインのように周囲の細胞を死滅い追いやる物質が発生するらしいが、細胞の新陳代謝を考えれば普通の状態でも、そういった物質が分泌されている筈だが、その機能が悪影響を及ぼすのが死期を迎えた時の症状。このサイトカインを抑える物質や方法が見付かれば、案外、死を迎える細胞の消失による痩せが防げるのかもしれない。
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