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2015年11月21日 (土)

第四の癌治療

癌に対する三大療法、それは手術療法、放射線療法、化学療法である。しかし、最近注目されているのが、それらとは異なる療法で、免疫療法だ。
これまでも、免疫療法が第四の療法として期待されてきたが、実際のところは顕著な効果を発揮せず、第四の療法とは認められてこなかったのが実状だ。

因みに、免疫療法というのは、ガン細胞を攻撃する免疫細胞の機能(攻撃性)を強化するというのが考え方の基本で、従来の免疫療法では免疫細胞を活発にするという方向で開発が進められてきたモノで、これでは顕著な効果が認められなかったのである。

しかし、ガン細胞を研究する中で、機能が未解明のタンパク質PD-1に着目し、その機能を検証した日本人研究者が居て、そのPD-1を欠損させた状態でガン細胞の増殖実験を行うと、免疫細胞がガン細胞に対して攻撃の手を緩めないという事を発見されたそうだ。更に、PD-1というタンパク質は、免疫細胞の作用にブレーキを掛ける役割を担っている事が判ったという。
ガン細胞は、免疫細胞の攻撃を受けた際に、免疫細胞の機能を弱めるためにPD-1に作用して免疫細胞の攻撃を解消させるという特徴を有しているそうだが、この免疫細胞の働きを弱めさせない、つまり、ガン細胞の反撃を無効化することで免疫力を持続させる事が有効ではないか?という開発を進めたという。この開発理念の市場化のために、日本の薬剤メーカーに打診されたそうだが、協力を得られず、結局、アメリカの薬剤メーカーと協力して、この薬剤の開発を行い、免疫チェックポイント阻害剤という新薬を生みだしたという。

アメリカの薬剤メーカーによって開発された新しい薬品、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ)を癌患者に投与すると、従来療法では対応困難なメラノーマや、転移が拡がった肺ガン患者のガン細胞が確認する事が困難な程に縮小し顕著な効果が認められたという。更に、放射線療法、化学療法のような治療法のような激しい副作用も殆ど無いという。実際の被験者の声では、自身が癌であることを忘れてしまう程に元気が回復したそうだ。
今では、乳ガン、胃ガン、膵臓癌、大腸ガン、、、、様々な癌に対して効果的な免疫チェックポイント阻害剤の開発が世界中で進められているという。

このガン細胞の反撃を封じ込める免疫療法は、従来のガン細胞への攻撃重視の手法ではなくガン細胞の反撃の手を封じ込めるもので、ガン細胞を無力化させるのに非常に効果的だという。現在、薬品の投与では点滴により行っているようだが、もしかしたら、将来は、錠剤を服用するだけで癌が治癒できるような時代が来るのかも知れない。

それにしても、日本人開発者のアイデアが外国の企業によって実現、、、、皮肉なもんである。日本の企業の弱さ、オリジナリティある技術を具現化するというか、独創的なアイデアの可能性が見抜けないというのは、この業界に限らず全体に言える事。日本人が独創性に欠けるのでなく、日本企業の組織運営者が独創性の芽を見抜く眼を持たないというのが、これまでの日本人のオリジナリティ不足という指摘の根元かもしれない。言い過ぎかも知れないが、企業経営者は、経営判断を任せるスタッフの選び方が間違っているような気もする。このような日本人アイデアを海外企業が具現化、、、、そんな話が沢山有りすぎるなぁ、、、。

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