RC213V-S
こんな車両は購入のターゲットには為り得ないし、恐らく、見る事も触る事も無いモデルだけど、雑誌のインプレ、DVDでの紹介映像を見ると、物凄く魅力的に見える。
正直、国内仕様の70PSだろうが何だろうが関係無く欲しいと思わせる一台。
今時ならフルパワー200PS級のZX-10R、YZF-R1Mのようなモデルの方がスペック的には上回っているのだろうけど、物作りの方向性が全く違うような印象を与える。
昔で言うと、セルシオの作り方と、当時の他の高級車、シーマ、セドグロ、クラウンの作り方の違いのような印象で、その差がもっと広範囲で明確な差で存在しているかの様子だ。
精緻で精密な工芸品、精密機械のような印象。細部への拘りがハンパ無い印象である。そして、本来有るべき理想像への影響を最小限度に留めて、各国の法規対応した公道仕様をリリースしているものという印象である。
その他のモデルは、あくまでも従来の大量生産品を影響度の高いパーツ、効果の高い電子制御によって機能を高めてリリースしているものであり、物作りのスタート地点が全く異なっているようだ。
引き合いに、RC30/45やNR750等が挙げられる事があるが、RC30/45は存在自体はセンセーショナルだったけど、開発の始点はあくまでも市販車が始点だったように思う。このような方向性のモデルを挙げれば、CB1100R、VF1000R、CR110といったモデルをルーツとしているかのようである。NR750も一種の夢だったと思われるが、車で言えば、歴代NSXのような臭いを感じる。あくまでも市販車であり、その時点での夢の技術の具現化という意味で、単車であれば、CX500TURBOに同じ傾向を感じる事が出来る。
しかし、RC213V-Sというモデルは、RC30やNR750とは生い立ち的には類似性があまり感じられない。奇をてらったり、メカ的な先進性を提案したりではなく、物作りの根本の部分で最高の手間を掛けて精度を追求した形という印象。実際、メカニズムを羅列したならば、過去のモデルからみて目新しさは全く無いかも知れないが、出来上がったモノは別次元である。
普通のユーザーからすれば、限界領域で電子制御の補助により凄さを提供してくれる最新のSSモデルなんかよりも、精密な機械、精緻なシステムが提供する世界は、あらゆる速度域のあらゆる動作において、体験した事のない感覚を提供してくれるような印象である。
2スト好きとしては、スペックには興味は無い。スペック以外の感覚を大事にしているが、そういう目から見れば、非常に魅力的である。精緻さが織りなす世界というのが実に興味深い。まぁ、現実的には2190万円の単車なんて買う事は不可能だが、このモデルは、恐らく、サーキット走行を望まない普通のライダーにも凄さの一端を伝えてくるものだと想像出来る。
残念なのは、こんなモデルがYZF-R1やZX-10R、H2辺りと同じ並びで雑誌紹介されていること。個人的には、このモデルは別次元の存在のような気がする。
久々に本気で欲しいと思えるようなモデルである。まぁ、現実的に買う事は不可能だが、、、。
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