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2015年11月 7日 (土)

ロングストローク、ショートストローク

今度買うバイク、どっちにしようかな?何れにせよ、Vツインの中大型車にするけど、、
で、ロングストローク、ショートストロークを整理してみた。ロングストロークエンジンは、ストローク長>ボア径でボアストローク比≧1のエンジン、ショートストロークエンジンは、その逆でボアストローク比<1のエンジン。

エンジン自体が圧縮、爆発、膨張というプロセスをとるので、圧縮時燃焼室の比表面積が小さい程、燃焼室がコンパクトとなり効率が高くなる。そういう意味で考えれば、ロングストロークエンジンの方が燃焼室形状的にはショートストロークエンジンよりも有利となる。燃焼室の比表面積が小さい程、つまり球体に近い程、点火伝播が速やかに進行するために燃焼の面でも有利となる。つまり、ノッキングを誘発しにくいという特徴も有している。点火時期の選択の自由度が高いのも特徴だ。それ故に、効率の高いタイミングでの点火、つまり未燃ガスの発生量を抑える事が可能となるのだ。余談だが、ロータリーエンジンが不利なのは扁平形状の燃焼室故でもある。ロングストロークエンジンでは、燃焼室がコンパクトな上に高いエネルギーを持った状態からの膨張過程においても、熱エネルギーを失う経路となるシリンダー表面がコンパクトとなるので、総じて熱効率の面で有利となる。エンジン行程容積が同じ場合、燃焼室表面積自体もショートストロークエンジンの方が大きくなる傾向で、ここでも熱損失から考えてもロングストロークエンジンの方が有利となる。
しかし、エンジン回転数が高くなる程、ネガティブな要因が出てくる。それは、ピストンリングの摺動速度が高くなり、高回転程、摺動限界が早く訪れるのでエンジンの高回転化が計りづらくなること。さらに、高速運転を行おうとすれば、速やかな混合気の交換が必要だが、ボア径が小さい事によるバルブ開放面積の狭さが、それを妨げることにもなる。結果的に、高回転時において理想的なガス交換が行えなくなり効率的に低下する傾向となる。更に、ストロークが長くなる分、相対的にコンロッド長が短くなり、ピストンの上下で発生するコンロッドの首振り角度が大きくなるために、シリンダー摺動における摩擦損失が大きくなり、振動も増幅する傾向にある。

火花伝播の面ではビッグボアエンジンは不利という本質も、高回転運転では燃焼室形状、ポート形状によって燃焼室内では激しい混合気の渦が発生しており、火炎の伝播は低回転時よりも断然に速やかに行う事が可能となり、ビッグボアエンジンであっても高回転運転においてはノッキング発生リスクが著しく低減するために、ビッグボアエンジンのノッキングリスクは低回転時のみに留まる。逆に、ロングストロークエンジンでは低回転でもノッキングが起こりづらいという特徴を持つのである。

そういう特性で、どちらが好みか?というと、ショートストロークであっても過度に高回転志向を高めずに低速時でのノッキングリスクを或る程度抑えたエンジン、、、、こういうのが使い易そう。ストローク論から外れるが、ノッキングしやすいかどうか?というと、ボア径の影響が大きい、速やか且つ確実な燃焼というと、ボア径の上限が85mmを越えると厳しい。ボア径が90mmを越えるようなショートストローク型リッターツインでは低速時でのノッキングが不可避となる。ショートストローク型ツインでノッキングリスクを回避するにはボア径は80mm程度、この辺りのモデルが良いかも知れない。

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