SKYACTIV-G 2.5T!陰にアクセラMPS!!
マツダから、新型CX-9用のパワーユニットとして従来の3.7L-V6エンジンの代わりとして、2.5Lのターボエンジンが登場。SKYACTIVエンジンとしては初の直噴ターボエンジンだ。ベースエンジンは2.5Gのガソリンエンジン。
技術的なセールスポイントはターボラグの解消と燃費悪化防止に新しい技術を投入したということ。
それは、世界初の技術で、運転条件に合わせて排気の脈動状態を変化させる「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」というもの。これは、エンジン回転数が1620rpm以下の低速域において、タービンの手前に設置したバルブを絞るのがポイントだという。
排気を絞るということは、排圧を高めるということ。その領域では排気脈動をインパクトとして利用してレスポンスを高めるという考え方だ。一方で、1620rpm以上ではバルブを開放して排気流量により排気エネルギーを積極的に活用するというものだ。この領域では、通常のターボと同様の脈動の少ない状態で稼働する。
マツダといえば、過給器については非常に興味深い取り組みをしてきたメーカーである。可変A/R比を実現したツインスクロールターボもFC3S型RX-7等で初めて実用化しているし、ターボチャージャーを順次動作させるシーケンシャルツインターボもFD3S型RX-7等で国内で初めて実用化している。脈動といって忘れられないのは、二代目FFカペラで初登場したPWS(プレッシャーウェーブスーパーチャージャー)だが、これも排気脈動を利用した過給器で高レスポンスが売りの過給器。他にも、ダウンサイジング過給器エンジンの先駆けとしては、ユーノス800で2.3LV6エンジン+リショルムコンプレッサーによるミラーサイクルエンジンも提案している。
これら先駆けてきた技術は今や一般化しており、ダイナミック・プレッシャー・ターボは排気脈動の制御に着目した点が異なっているが、実は、この考え方はマツダの初期のターボに見る事が出来る。マツダ初のターボといえば、コスモロータリーターボで、12A型で160PSだったけど、SA22型RX-7に投入された12Aターボは165PSに出力アップしている。この際の改良は、ターボの小型化、タービンブレード形状の変更により、タービンを反動タービン翼から衝動タービン翼に変えて排気インパクトを積極的に利用するターボだが、今回のターボは、この辺りにルーツを辿る事が出来るように見える。
今回は、レシプロエンジンへの採用で、興味深い技術としては、排気システムとして4-3-1排気を採用している。4-3-1排気では、エンジンの4本の気筒の内、中央に位置する2本の気筒(2番と3番)から出る排気を1つの同じポートに合流させる一方で、外側に位置する気筒(1番と4番)はそれぞれが個別のポートを持つようになっている点だ。この4-3-1排気を実現するコンパクトな排気マニフォールドが排気脈動を分離して引き出すエネルギーを最大化して、残留排気の吸い出しも促しているという。
なお、SKYACTIV-Gでは定番のクールドEGRも採用しており、10.5という高圧縮比化を実現しているという。
SKYACTIV-G 2.5Tを搭載する新型CX-9の最高出力は169kW(227PS)(5000rpm)、最大トルクは420Nm(2000rpm)。現行の初代CX-9は最高出力が204kW(6250rpm)、最大トルクが366Nm(4250rpm)、ハイオクガソリンを使えば186kW(250PS)まで高めることもできるそうだが、このコメントの裏には、ハイオク仕様のモデルの登場を暗示している。つまり、噂されていたアクセラMPSが登場するのも確実だろう。250PSのアクセラターボ、マイナーチェンジで登場するのは間違いなさそうだ!!!
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