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2015年12月22日 (火)

下町ロケット最終回

今シーズンで最も成功したドラマ。実は、自分は見ていなかった。初回放映を半分見て止めて、後は最終回を見たくらい。まぁ、原作を読んでいて、初回の作りから『半沢直樹』のパターン?と思ったからだ。それでも、話題に上っていたので最終回だけは見てみたという事。

多くの人にとって気持ちの良いストーリーの構成だが、現実の世界には100%有り得ない設定でもある。
技術畑の経営者が、技術に真摯であり続ける。そして、あくまでも技術で勝負する。そして中小企業でも真に核心を担う技術を生み出す事が出来る、、、、そういう設定は、夢物語だが、そういう幻想を多くの人が願っているというのが多くの人の心を掴んだのかも知れない。

核心を担う事が出来る本物の技術、口で言うは簡単だが、実際に生み出すのは、論理の着眼力と、仮説を具体化する実現力、それを検証する解析力が必要。そのための体制、人材、設備を備えるのは、利益が確約できない分野に投資する事が可能な余力が必須であり、正直、中堅以下の企業では殆ど不可能といって差し支えない。
中小企業の製品が生き残る力に競争力は必要だが、その競争力というのは図抜けて一番という技術ではなく、価格競争力といって差し支えない。品質や技術を補うのに、アフターサービスであったり、迅速な納期対応であったり、そういう部分で競争力を補った勝負を展開しているのが現実だ。

技術の成熟度、熟成度を高めるツールが備わっていない時代、具体的には、パソコン、EWSを駆使したエンジニアリング分野が未開の時代であれば、中小企業であれ、大企業であれ開発した製品の完成度の差は、それ程でも無かったかも知れないが、そういうツールが駆使出来る時代においては、ツールを使いこなす事が出来る人材、準備する資本を生み出す力に大いなる差があるのが現実であり、そういうレベルにおいて開発を進める大企業と、昔ながらの手法に留まるか、そういう資本を得ても使いこなせる人材を有しない中小企業の製品には明確かつ埋める事の出来ない差があるのが現実である。

この差を埋めるのは容易ではない。それが価格差、アフターサービスの差、納期対応の差で埋め切れない場合も確実に存在する。そういう現実において、マーケットで利益を上げるために何をするか?というと、ドラマで見られたような公には口外出来ない方法が蔓延しているのが現実だ。
それが、実世界における、杭打ちデータ偽装であったり、建築事務所のデータ改竄、VWの排ガスデータ偽装だったりする。このような偽装は、競争の厳しい大企業でも存在するのは実際の事件、事故の発覚からも明らかだが、中小企業でも確実に存在するといって間違いではない。

性能改竄、品質データ改竄、材質データの改竄、、、、そんなものは、チョット見れば一発で判る程蔓延している。自身、色々な所で色々な作業実態を数多く見てきたけど、お天道様の前で潔白だ!と言いきれるような所を探す方が困難。現実は極めてダーティである。

まぁ、それ故に、理想郷を映したようなドラマがヒットするのだろう。

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