クランクトリプルってどう?
クランクトリプル、コンフォートロード、MTB、子供車に多く見られる構成で、逆にコンペティブなロードバイクでは少数派である。
そんなクランクのチェーンリングのトリプル構成について考えてみる。
机上の計算的には、チェーンリングが一枚増える事で、ギア比のレンジが広がり選択肢が大幅に増加(1.5倍)することになる。インナーリングを小さく出来るので、センターポジションの歯数をダブル仕様のインナーよりも大きく出来る。その結果、レンジが拡大した分、割付感覚を狭くできるので、より細やかなギア比のチョイスが可能となる。
ということで、良い事ばかりのようである。おそらく、思い付くデメリットとしては、重たくなる、と言う事くらいかもしれない。
しかし、現実は違う。チェーンリングポジション毎に選べるカセットのギア枚数が違うからだ。トリプルクランクでは、ダブル仕様に比較するとクランクの外側にアウターギアを追加するパターンである。チェーンリングの位置自体は、トリプル・インナー=ダブル・インナー、トリプル・センター=ダブル・アウター、トリプル・アウターは相当に外という構成。チェーンラインの捻れによるフリクションと違和感を考慮に入れると、少なくとも、トリプルのアウターポジションで快適に使えるカセットスプロケットの枚数はダブルのそれよりも少なくなる。ダブルのアウターポジションでの選択肢がトリプルのセンターポジションの選択肢と同じ、インナーポジションでの選択肢はダブル、トリプルで殆ど同じというパターンだろう。
つまり、留意するのはダブルで乗る場合のアウターポジション時におけるカセットの段数位置だ。チェーンリングの間隔を考えると、スプロケの段数で2段程はロー側の選択肢が減る。まぁ、チェーンラインの捻れによるフリクションを違和感として避けるのが、どの辺りか?の感覚は個人次第だから、絶対的にNGという訳ではないが、自分の場合、ダブルでアウターポジションの場合、カセット枚数で言えば、10段中8段迄しか使わない(ロー側の二枚は使わない)ので、トリプル設定にするとアウターではトップから6段目迄しか使わない事になる。カセットの構成にもよるけど、12-13-14-15-16-17-19-21-23-25なら、ダブルなら21T迄使うけど、トリプルなら17Tまでしか使わないといこと。アウターで52T辺りを選んでいると、17~19Tをクロウスさせて使いたい場合が多いけど、トリプルでは、アウターポジション時には非常に使いづらいということになる。結果、センターポジションで使うパターンになる訳だ。センターポジションに39Tを選べば、14~16Tとなるけど、そうなると1Tでのギア比の開き方が大きくなり、これが気になる場合も生じる。
そんな訳で、クランク側のチェーンリング枚数を増やせば、机上では優れるようだけど、現実には制限が生まれる事も有り得る。この辺を見繕ってギア比の選択を行うのが大事。
旅行車では、インナーポジションをスーパーロー的にして備えたりもアリだろうけど、ロードバイクでは結構シビアな問題が生まれる可能性もある訳だ。
| 固定リンク
コメント