180°?360°?
一般に、パラツインで180°クランクと360°クランクを比較すると、360°クランクが中低速型、180°クランクが高速型って言われている。
まぁ、180°クランクはピストンが交互に上下しているので、重量バランス的に優れているような印象だ。そして、360°クランクはピストンがそろって上下しているから、バランス的には今一でバランサー必須というのも道理である。
しかし、180°クランクは左右が互い違いだから、偶力が発生しているのだ。これをベアリングで受けている、、、、ベアリングはシャフト端で逆向きのスラストを受けているのだ、、、、もしかして、180°クランクの回転上昇のかったるさは、この偶力アンバランスが影響しているのか?と考えたり、、、、
っていうのは、シャフトの偶力振動による軸受トルク計測を試験装置で行っているけど、偶力の作用するシャフトを軸受で保持すると、軸受の摺動トルクは少なくないのだ。
両端軸受が逆向きのスラストを受けると、シャフトの回転上昇は、両端軸受が同方向のスラストを受ける場合の1.3倍程度のトルクを計測することもある。
こう考えると、案外360°クランクの方が回転上昇に疎外感が無いと言えないこともない。ただ、一次振動を抑えるバランサーなり、適切なカウンターウエイトは必須だろう。
それにしても、、、、、改めて思ったのは、180°クランクツイン、、、個人的には、カスだな。
小はCB125T、Z250FT、GS400、GPZ400S/500S/ER-5、、、、いろいろあるけど、回転上昇のかったるさ、、、こればっかりは如何ともしがたい。表現としては、マルチエンジン車のプラグキャップを一つ外したような感じですね。
そして、360°クランクツイン、、、、振動があっても無くても、基本は連続的な排気音と中低速のレスポンス型エンジン。上に向かいやすいけど、上を維持しづらいというもの。結果、構造的な制約から、フラットトルクを狙うというエンジン、TXもそうだけど、今のWも似たような感じ。抑揚のない印象ですね。
こうして考えると、軸受両端に掛る力のアンバランスを最小にとどめることが出来るV型エンジンっていうのは、パワーソースとしては、とても魅力的。
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